「MacBook」「iMac」「Mac mini」「Mac Pro」デスクトップに大きな変化が訪れる。Appleのコンピュータを動かすOSが改名され、アップデートされようとしている。名称は「OS X」から「macOS」に変わる(この新名称は、「iOS」や「watchOS」とより調和するものとなっており、今回の改名は、壮大なApple OS統合理論への長い道のりに向けた新たな一歩のように感じられる)。
「Sierra」と呼ばれるmacOSの次期バージョンは、2016年中に無料で既存ユーザーに公開される予定だ。近年のバージョン(2015年の「El Capitan」や2014年の「Yosemite」)と同様、Sierraも全面的な刷新というよりもむしろ、便利な機能や改善点を寄せ集めたものとなっている。それらの機能や改善点の中には、iOSに直接由来するものもあれば、MacとiOS製品の連携を向上させるために設計されたものもある。目玉はAppleのおしゃべり好きなパーソナルアシスタント「Siri」だが、実際に最も実用的な利点があるのは、ストレージや「iCloud」関連の変更点かもしれない。
macOSの開発者向けプレビュー版を数日間試用してみて、最もわれわれの印象に残ったいくつかのことを以下で紹介する。
Mac版Siriの声は、聞き慣れたiOS版と同じ(地域によるが)で、iOS版とほとんど同じことをやってくれる。Siriはキーボードコマンド(現状では、ファンクションキー+スペースキー)で起動するが、これは今後変わるかもしれない。質問を話しかけるだけで、起動できるようになる可能性もある。天気やニュース、近くの店舗情報、ランドマークなど、標準的な機能はすべて期待通りに動作する。スポーツのスコアや株価など、さまざまな結果を通知パネルにピン留めして、好きなときに確認することもできる。
Mac版Siriの最も便利な機能はファイルの検索で、種類や日付、キーワードなどの条件で絞り込むことが可能だ。例えば、すべてのスプレッドシートや、名前に「スクリーンショット」という単語を含み、この2週間内に保存されたすべての画像ファイルを簡単に見つけることができる。
iCloudを使って写真やファイルを保管する習慣は現時点で既に定着しており、人々は同様の目的で、「Google Drive」や「Dropbox」などのクラウドサービスも使用している。しかし、Sierraでは、iCloud設定メニューの新しいチェックボックスをチェックするだけで、複数のMacのデスクトップ上や書類フォルダ内のファイルが自動的に同期されるようになった。
1つのmacOSシステムのデスクトップにファイルをドロップしたり、スクリーンショットを追加したりすると、数秒後に、それがほかのMacにも表示される。書類フォルダ(デスクトップと並んで、重要なファイルが保存されることの多い場所)も同じように動作するが、姉妹マシンの書類フォルダ内に各マシンの名前付きフォルダが作成される。
複数のマシン間でファイルを同期する方法はたくさんあるが、筆者はこの機能の手軽さを気に入った。特に、複数のMacで全く同じデスクトップにアクセスできるのは便利だった(筆者は作業中のファイルをデスクトップに多数保存している)。
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