例年大盛況のCESがラスベガスで開催されていたとき、筆者は途中からWithingsの「Activité Pop」を身に付けていた。同イベントでのPopの発表は予想外のことだった。なにしろ、同社は上位機種に当たる「Withings Activité」をその何週間か前に発表したばかりだったからだ。しかし、Activitéの価格は、機能セットが同等であるにもかかわらず、今回発表されたPopの3倍である。
Activitéとはどんなものなのか。下の写真からわかるように、見た目は腕時計だ。ただし、中にはフィットネス技術が隠されている。歩数計測と睡眠記録のための加速度センサ、スマートフォンと同期するBluetooth、目覚ましとして設定できるバイブレーションアラームなどだ。Fitbit風のトラッカー機能が、普段使いの腕時計に組み込まれている。水泳やシャワーができる防水性を備え、8カ月間持続する交換可能なバッテリを搭載。デザイン性にも優れている。
初代Activitéはスイスでデザインされ、サファイアクリスタルガラスとカーフ革のバンドを採用し、本体は光沢仕上げのステンレススチール製、価格は450ドルだった。Activité Popに関して驚異的なのは、まったく同じ機能を搭載しながらも、材料設計を引き下げて150ドルという価格を実現したことだ。バイブレーションやフィットネストラッキングの機能も、防水性も、充電が必要ない点も変わらない。違うのは、スイス製ではないという点だけだ。
300ドルの価格差を考えれば、筆者は喜んでこちらの廉価版を選ぶ。大多数の人はそうなのではないだろうか。Popは新世代向けのSwatchのようなものであり、普通の腕時計が少しスマートになったものだ。筆者は、このトレンドが2015年末までにほとんどの大手腕時計ブランドに広がるものと予測している。単純に、見逃すにはあまりに惜しいトレンドだからだ。今のところ筆者のお気に入りの腕時計である。
Activité Popは、見た目でスマートウォッチとはわからない。控え目なスマートさだ。身に付けていると、素敵な腕時計だとか、おしゃれなデザインだとか言われる。また、スマートウォッチは見捨てたのか、アナログに逆戻りして一休みしているのか、という声もあった。
シリコン製のバンドから、丸みのあるミネラルガラスで覆われたアナログ文字盤まで、Popはおしゃれな普通の腕時計に見える。カラーバリエーションはブルー、ブラック、ホワイトの3色で、どれも魅力的だが、フラットな色使いのせいで実際よりローエンドの機種のように見えてしまうこともある。本体がスチール製である点は変わらないが、色付きのマット仕上げで退色しにくいように処理されている。長針と短針は、上位機種Activitéでは光沢のある金属製だったが、Popでは色塗りになった。ミネラルガラスは、上位バージョンの光り輝くサファイアと比べると多少見劣りするが、ほとんど気にならないだろう。とにかくPopは価格が手ごろであり、それが決定的な差になっている。
筆者はより高価なActivitéを何週間か使用して、その後Activité Popに移った。Popはカジュアル時計という感じで、確かに上位機種の輝くような魅力は欠けているが、その点を除けば使用感はまったく変わらない。
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