ウェブ上では数カ月前から、Microsoftが「iPad」向けの「Office」を発売するといううわさが飛び交っていた。高い利益を生み出す生産性スイートであるOfficeにとって、iPadが初のタッチ操作プラットフォームとなる、というわけだ。
しかし先週、MicrosoftがOfficeの次期バージョンを発表した時点で、iPadはまだ待たなければならないことが明らかとなった。
MicrosoftのOffice事業部プレジデントであるKurt DelBene氏は、米CNETとのインタビューで、Officeの最新バージョンではMicrosoftの「Windows」が優先されると語った。タッチ操作対応の生産性スイートである新しいOfficeは、10月に発売される「Windows 8」でデビューする予定だ。その主な理由は、このOSがMicrosoftのアプリケーションスイートのショーケースとして最適だからだ。
「われわれはWindows 8スタイルのアプリケーションをさらに推し進める、またとない機会を得た」(DelBene氏)
タッチベースタブレットコンピューティングの主たるプラットフォームであるiPadに向けたOfficeをMicrosoftがいつ発表するのか、あるいはそもそも発表するのかどうかについて、DelBene氏は具体的に言及しなかった。しかし、多くの企業にとっては今でも不可欠なアプリケーションであるOfficeを、MicrosoftがまずWindowsタブレットで試そうとしていることを同氏は明確にした。
言うまでもなくWindows 8搭載タブレットは、iPadと競争するためにあらゆる助けを必要とするだろう。新しいWindows 8は、タッチコンピューティングに焦点を当て、ARMチップで動くWindowsの最初のバージョンであり、そのためデザインはより小さなものになるはずだ。しかしそれが登場するのは、iPadが初めて店頭に並んでから2年以上も後のことだ。そしてAppleはこれまで、市場に参入しようとしたあらゆるライバルのタブレットを打ち負かしている。
新しいOffice発表の何カ月も前から、この生産性スイートが2012年中にiPadでも使えるようになるといううわさは絶えなかった。きっかけとなったのはThe Dailyの記事だ。数カ月後に掲載された同紙の続報には、使用中のソフトウェアのスクリーンショットとされる画像が含まれていた。ただしMicrosoftは即座に、それはねつ造されたものだと主張した。6月にはBusiness Insiderが、iPad向けのOfficeが11月に発表される予定だと報じている。
MicrosoftはAppleのiPadや「iPhone」向けのアプリを活発に開発している。ただしそうしたアプリのほとんどは、同社の「Bing」検索ツールに関係するものだ。同社が「iOS」向けに開発した23件のアプリのうち、有料で提供されているのは同社の「Xbox」ゲームである「Kinectimals」のモバイル版のみだ。
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