Facebookのマーケティング活用--自社サイトの代替としての魅力とリスク

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年03月10日 07時30分

 ロンドン発--いずれFacebookの力によって、大企業が自社のウェブサイトについて思い悩む必要がなくなる日が来るかもしれない。

 この驚くべき可能性は(自己宣伝の面もあるが)、Facebook英国支部のコマーシャルディレクターStephen Haines氏が現地時間3月2日、当地で開催のTechnology for Marketing and Advertisingカンファレンスでの講演中に提示したものだ。Haines氏は実質的に、企業と顧客のコミュニケーションがFacebook上で極めて頻繁に行われるようになるため、企業ウェブサイトの必要性が低下すると主張している。

 Haines氏は自身の主張の裏付けとして、Facebookユーザーが企業の「Like」(いいね!)ボタンをクリックした回数と、人々が1カ月にその企業のサイトを訪れた回数を比較した統計データを示した。Facebookの最大の広告主であるStarbucksの場合、その比率はLikeのクリック回数が2110万回だったのに対し、サイト訪問者は180万人だった。Coca-Colaでは2050万対27万だった。Oreoは1010万対29万、Dr. Pepperは410万対32万5000となった。

 Facebookはソーシャルネットワーキング分野において支配的地位を確立しており、広告主からもそれ相応の人気を得ようとしている。そのFacebookが、商業活動の中心に自社がいる未来を望んでいるという話は、特に意外なものではない。Facebookの野望にとって良い兆候と言えるが、Haines氏の話は、Facebookを有効活用するためのヒントを求める多くのマーケッターの関心を引き寄せた。Haines氏によると、英国では膨大な数のFacebookユーザーが1日当たり平均28分を同サイト上で過ごすという。

 同氏のアイデアは全く現実離れしたものというわけではない。結局のところ、多くの個人や企業が、一からすべてを構築するのではなく、既存のオンラインサービスに依存している。個人レベルでは、Googleの「Blogger」や米Yahooの「Flickr」などのツールの方が、カスタムビルドされたブログや写真共有サイトよりセットアップが容易だ。企業はFacebookを利用することで、膨大な顧客情報とコミュニケーションチャネルにアクセスできる。また、ユーザーに別のユーザー名とパスワードの登録を依頼する必要もない。

ロンドンで開催のTechnology for Marketing and Advertisingカンファレンスで講演する、Facebook英国支部コマーシャルディレクターのStephen Haines氏。 ロンドンで開催のTechnology for Marketing and Advertisingカンファレンスで講演する、Facebook英国支部コマーシャルディレクターのStephen Haines氏。
提供:Stephen Shankland/CNET

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