NTTドコモは7月13日、第3世代移動通信W-CDMA方式のさらなる発展に向け、Super 3Gシステムの実証実験を7月から開始したと発表した。今回の実験では、下り最大約300Mbpsの伝送速度を目指す。
Super 3Gは、W-CDMAの拡張技術「HSDPA1/HSUPA2」を進化させた標準規格で、データ通信速度の高速化、接続遅延の短縮や周波数利用効率の向上など、飛躍的な性能向上を目的としたシステム。現在Super 3Gは、W-CDMAの標準化団体3GPP3において、「LTE 4」として標準仕様作成の作業が進められている。
ドコモではLTEの標準化作業の進展にあわせ、2006年7月にSuper 3Gの装置開発に向けたメーカー募集を行い、開発に着手している。今回の実験は、新たに開発したSuper 3G試作装置を用いてSuper 3Gの高速無線伝送能力の評価を室内伝送実験により行うというもの。
実験当初は送信・受信アンテナ数をそれぞれ1本とした基本性能確認を重視した実験から開始するが、最終的には基地局送信および移動局受信にそれぞれ最大4本のアンテナを用いた下り「MIMO5」伝送機能の追加で、下り最大約300Mbpsの伝送速度を実現するとしている。
また、2つの基地局を用いたハンドオーバー6を含む動作試験も行われ、移動を想定した環境においても安定した通信が実現できることを実証する。さらに本実験システムでは、音声・画像伝送・ゲームなど各種アプリケーションを用いて、Super 3Gシステム商用化に向けての実用性および有効性を検証する。
ドコモでは、実証実験で得られた結果をSuper 3G商用システム開発に反映し、2009年の開発完了を目指す。なおSuper 3Gは、ネットワーク構成を4Gにも適用可能とすることで、4Gの無線機能をもった基地局を導入するだけで4Gをスムーズに導入できるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」