ルータ業界の大手Cisco Systemsが、ネットワーク市場全体における優位性の鍵を握る分野で、シェアを落とした。一方、ライバルのJuniper Networksは、この成長分野におけるシェアを拡大している。
2004年第3四半期の情報が出そろったのを受け、複数の市場調査会社が、Ciscoの市場シェアが、特にハイエンド市場において落ちていると報告した。Ciscoも今月初めの業績報告で、第3四半期は苦戦したことに言及していた。
Infonetics Researchによると、第3四半期におけるCiscoのシェアは、前年同期の72%から58%へと低下したという。一方、Juniperのシェアは、前年同期の20%から36%へと拡大している。
Dell Oro Groupをはじめとするほかの調査会社の数字にも、同様の傾向が見られる。Dell Oroによると、Juniperの全売上に占めるハイエンドコアルータの割合は、前四半期の32%から38%へと増加したという。コアルータとは、電話会社やインターネットサービスプロバイダがネット上のトラフィックをやりとりするのに使用するルータだ。これらのハイエンドデバイスは、45万ドル〜100万ドルの価格帯で提供され、CiscoやJuniperにとって大切な収入源である。
Ciscoのコアルータ事業そのものは昨年より25%拡大したが、シェアは前年同期の67%から62%に落ちた。
ハイエンドデバイス市場は拡大を続けており、6四半期連続で成長しているという両社にとって明るいニュースもある。昨年の第3四半期と比べ、コアルータ市場は33%拡大し3億4700万ドル規模に成長したと、DellOroは言う。
企業だけではなく個人ユーザーの間でも新しいインターネットサービスへの需要が高まっており、そのことがコアルータ需要を押し上げているとアナリストは言う。米国内では、Verizon CommunicationsやSBC Communicationsなどの大手電話会社が、ネットワークのアップグレードに着手している。世界でも、特に中国やインドなどのアジア諸国において、電話会社が新しいインフラを構築中だ。しかし、こうした需要の伸びにも関わらず、Ciscoは市場における確固たる地位を維持するのに苦戦しているようだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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