NECとNECエレクトロニクスは22日、第3世代(3G)携帯電話端末の競争力向上に向けて協業すると発表した。海外で普及している欧州2.5世代通信方式のGSM/GPRS/EDGEと3G通信方式W-CDMAのデュアルモード対応となる通信用LSIを共同で開発する。
NEC 執行役員兼モバイルターミナル事業本部長の大谷進氏は、「3G技術で携帯電話端末業界をリードするNECと、国内向け3G通信用LSIでシェアトップのNECエレクトロニクスが協業することにより、NECは3G技術の進化に対応した高機能端末をいち早く開発することが可能になる。またNECエレクトロニクスは、開発成果を外部の携帯端末メーカーにも販売し、業界標準をめざすとともにコスト削減を図ることができる」と、今回の協業による意義を説明する。
NEC 執行役員 大谷進氏(左)と、NECエレクトロニクス 取締役副社長 橋本浩一氏 |
両社が共同開発するLSIは、3Gの最新仕様である3GPP標準のリリース5に準拠し、GSM/GPRSとW-CDMAの両モードをサポートするほか、GSM/GPRSの高速データ伝送方式であるEDGEにも対応する。また、3.5Gとして期待されている高速データ通信HSDPA方式にも対応するという。HSDPAはW-CDMAのデータ通信を高速化した規格で、現行の3Gの5倍以上の通信速度を実現するといわれている。
NECエレクトロニクス 取締役副社長の橋本浩一氏は、今後のロードマップとして、「HSDPA対応のデジタルベースバンドとデュアルデジタルベースバンドをプラットフォーム化し、アプリケーションプロセッサとも統合させる予定」としている。
端末が商品化されるのは2006年下期となる。NECエレクトロニクスでは、共同開発したデジタルベースバンドをNECグループ外への顧客へも積極的に販売する予定で、「全体のマスが大きくなり、コストダウンを図ることができる」としている。さらに同社では、これまで国内向けの製品が多かったが、「NECと組んでデュアルモード対応製品を世界に打って出ることで、市場を広げたい」としている。同社では売上の比率として、「NECに対する売上が70%で、残りの30%が外部からの売上となるだろう。また国内・海外での売上については、国内が80%、海外が20%程度と見込んでいる」(橋本氏)とした。
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