ソニーは10月29日、2011年3月期第2四半期(7月1日〜9月30日)の、連結業績を発表した。ゲーム事業とPCが堅調に推移し、営業利益が前年同期比で黒字転換した。
売上高は前年同期比4.3%増の1兆7332億円、営業利益は同326億円の損失から687億円、税引前利益は同170億円の損失から627億円、四半期純利益は同263億円の損失から311億円へと、それぞれ黒字化した。
営業利益に大きく貢献したのは、ゲーム事業やPCなどを持つネットワークプロダクツ&サービス(NPS)分野だ。売上高が3691億円と前年同期比5%増加したうえ、円高の悪影響があったものの売上原価率を大幅に改善したことが奏効し、営業利益が前年同期比590億円の損失から69億円の黒字化を達成した。ソニーでは、全地域でシェアを拡大し、売上台数が増加したPCの増収によるところが大きいとしている。加えて「PlayStation Move」の好影響、「PlayStation 3」のハード、ソフトの売上増などゲーム事業も好調に推移したとのこと。これによりゲーム事業は4四半期続けての黒字化を達成しており、通期での黒字化の見通しがたったとしている。
一方、テレビなどのAV機器やプロ用機器などのコンスーマー・プロフェッショナル&デバイス(CPD)分野は、液晶テレビの販売台数が増加し、売上高は前年同期比1.4%増の8853億円、営業利益は同103億円増加の169億円になった。しかし液晶テレビは価格下落の影響をうけており黒字化には至っていない。
ソニー執行役EVP CFOの加藤優氏は「黒字化に向けての施策は各方面で努力している。とにもかくにも(必要なのは)商品力だ。2009年はLEDバックライト搭載モデルの割合が低かったが、2010年はラインアップが増加しているし、良い商品を出していると自負している。また、3Dテレビやインターネットテレビ(Google TV)のような高付加価値商品もそろえた。商品で高付加価値をつけることで、価格競争の波を受けないようにやっていきたい」と、今後のテレビについて話した。
また、レンズ交換式デジタルカメラ「NEX-5」や、透過ミラーを搭載したデジタル一眼カメラ「α55」など、話題性のある商品を投入したデジタルカメラに関しては「いずれも大変好評だ。この市場は非常に厳しく、他社と同じことをやっているのでは難しい。今まで市場シェアは10%以下だったが、NEXの登場以来20〜30%前後のシェアをとるところまできている」(加藤氏)とした。
スマートフォンを含む携帯電話事業については、持分法適用会社であるソニー・エリクソンが3四半期連続で黒字化している。「モバイルは非常に重要は領域。PC、スマートフォン、スレート型PCなど、モバイル系の総合戦略の中で、鋭意準備している」(加藤氏)と述べた。
ソニーでは第2四半期の業績を受け、2011年3月期通期の連結業績予想を修正した。売上高は7月時見通しの7兆6000億円から、7兆4000億円に下方修正したが、営業利益は同1800億円から2000億円へ、税引前利益は同1700億円から2000億円へ、当期純利益は同600億円から700億円へと上方修正した。
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