米国時間10月25日、カリフォルニア州のLos Angeles Convention CenterでAdobe Systems(Adobe)の年次ユーザーカンファレンス「Adobe MAX 2010」の基調講演が行われた。
登壇したCTOのKevin Lynch氏は、PCに加えて、スマートフォン、タブレット、テレビなど多種多様なデバイスがインターネットのフロントエンドとなっており、特にモバイル端末へのユーザーのシフトは「PCの世界の中で起きている変化よりもさらに大きな意味を持っている」と指摘した。
同氏は「コンテンツの作成から管理、配信、さらに効果測定のためのプラットフォームを提供する」というAdobeのミッションを改めて強調しつつ、「ウェブサイト」「デジタルパブリッシング」「ビデオ配信」「エンタープライズアプリケーション」「ゲーム」というそれぞれの分野において、ひとつのコンテンツを「マルチスクリーン」に展開していくための、新たな技術や製品、サービスを紹介した。
Lynch氏はまず、「CPUパワー」「バッテリパワー」「ネットワークの帯域幅」「スクリーンサイズの多様化」といったトピックを取り上げ、モバイルの世界における変化を説明した。現在のスマートフォン(モバイルマシン)のCPUパワーは、約7年前のPCの水準に近いところにあるという。これと合わせて、バッテリパワーと無線ネットワークスピードも増大しており、モバイルで長時間かつリッチなコンテンツの動作を可能にした。
さらに、モバイル端末でのスクリーンサイズは徐々に拡大すると同時に、携帯電話、タブレットなど、機器の特性を生かす形で多様化している。スクリーンサイズの点ではHDTVなどのリビングルーム機器の存在もある。
Lynch氏は、2014年前後にはモバイルからのインターネットユーザー数がPCからのユーザー数をしのぐまでに増加するだろうとの予測を示す。Adobeでは、開発者やコンテンツデベロッパーがこうした変化に対応し、マルチスクリーンにコンテンツをデリバリできるようにするため、どのような取り組みを行っているかを説明した。
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