携帯端末メーカーBlackBerryは米国時間9月11日、Movirtuを買収したと発表した。Movirtuはロンドンを拠点に、1台のスマートフォンで仕事用と個人用の電話番号を使用できるようにする仮想SIMプラットフォームを提供する。買収条件は公表されていない。
Appleの「iPhone」とGoogleの「Android」OSを搭載するスマートフォンが消費者市場を占有する中で苦境に立つBlackBerryは、ターゲットを企業顧客に戻そうと移行している。BlackBerryは2014年に入り、セキュリティおよびモバイル端末管理における強みを基盤に、同社の中核となる企業および政府顧客に集中するつもりだと述べた。
エンタープライズ分野に向けた取り組みにおいて、BlackBerryが主にターゲットとするのは、BYOD(Bring Your Own Device:個人所有デバイスの業務利用)を実践するユーザーである。
BlackBerryはこれを念頭に、個人用と企業用のアプリケーションと機能を明確に分離することを目的とする「Secure Work Space」や「BlackBerry Balance」といった複数のいわゆる「パーティショニング技術」に取り組んでいる。Movirtuは、その取り組みの延長線上にあるように思われる。
Movirtuの技術は、2つのアカウントを切り替えながら携帯端末を使用するユーザーにシームレスな設計を提供する。同社の仮想SIMプラットフォームにより「仕事用と個人用の両電話番号を単一の携帯端末で使用し、それぞれの音声、データ、メッセージング利用料の請求を別々に受ける」ようになるため、複数の端末やSIMカードを持ち歩く必要がなくなると、BlackBerryは述べた。BlackBerryは独自の「BlackBerry Enterprise Service」プラットフォームにMovirtuを統合し、IT担当者が、個人用の領域に影響を与えることなく仕事用番号にポリシーを設定できるようにする予定である。
Movirtuの技術は、BlackBerry端末に加えて、AppleのiPhoneとGoogleのAndroid OSを搭載するスマートフォン上でも動作する。BlackBerryはMovirtuを、同社独自のプラットフォームで独占するつもりはなく、「すべての主要なスマートフォンOS」に提供する予定だと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」