名刺管理サービス「Eight」のSansanが5億円調達--5月には新アプリも

岩本有平 (編集部)2013年04月23日 10時00分

 Sansanは4月23日、ニッセイ・キャピタルおよび既存株主であるGMO VenturePartnersを割当先とする総額約5億円の第三者割当増資を実施することを明らかにした。

 Sansanは法人向けのクラウド名刺管理サービス「リンクナレッジ」および、個人向けの無料名刺管理アプリ「Eight」を手がけている。

 今回調達した資金はEgihtの開発およびマーケティング活動に当てることで、国内外1000万ユーザーのビジネスインフラを目指すという。

 2012年2月にサービスを開始したEightだが、現在のユーザー数は約20万人。これまで500万枚の名刺をデータ化してきた。Sansan代表取締役社長の寺田親弘氏は「立派なデータベースになってきた」と振り返る一方で、「今はまだツールでしかない。ゴールはビジネスインフラを目指している」と語る。


Sansan代表取締役社長の寺田親弘氏

 公開時から無料で提供してきた同サービス。ユーザーのニーズがある機能を有料オプションで提供する可能性はあるものの、基本的には今後も無料での提供を続けるという。「Eightは今もコストだけがガンガン出ている状態。だが5億円を調達しても、マネタイズは全然考えていない。データのダウンロードやスキャナ対応など、正直中途半端にマネタイズしようと思えばいくらでもできるが、(プラットフォームに)すごいポテンシャルを感じている。1000万単位でユーザーがいれば考えればいい」(寺田氏)

 こういった大規模なプラットフォームを現実のものとすべく、入力のシステムについてもこれまで約10カ月にわたって開発してきたという。「リンクナレッジのノウハウをもとに、クラウド(ソーシング)の人たちに、ゲーム感覚で入力してもらえる仕組みを作り上げた」(寺田氏)。システムはすでに多言語対応しており、今後はデータ入力者のリソースを海外で確保でき次第、海外向けのサービスも展開していく予定だ。また、これまで人名、社名、電話番号、メールアドレスのみの自動入力に対応していたが、住所なども入力の対象としていく。

 5月には、スマートフォン向けの新アプリの提供も予定する。「これまでは『名刺をためるアプリ』だったが、今度は『名刺のデータを使うアプリ』にしたい。電話をしたり、地図を見たり、メールをしたりするとき、まずEightのアプリを立ち上げる——そういうことがやりやすいものになる」(寺田氏)

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