田中社長「auモメンタムは完全回復」--社長交代から2年

 KDDIは10月24日、2013年3月期第2四半期(4~9月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比0.2%減の1兆7405億9900万円、営業利益は同13.3%減の2312億4000万円、経常利益は同10.1%減の2270億1400万円、純利益は同43.1%減の797億5700万円となった。

 第1四半期に続き減収減益となったが、これは同社が成長戦略として掲げる“マルチユース”“マルチネットワーク”“マルチデバイス”の3つの頭文字からなる「3M戦略」に先行投資していること、また周波数再編にともなう7月の旧800MHz帯設備の停止によって、882億円の減損損失を計上したことによるものだ。すでに第2四半期(7~9月)については8.2%の増益に転換しているという。

  • KDDI代表取締役社長の田中孝司氏

 KDDIは2010年12月1日付で社長交代を実施し、前社長の小野寺正氏に代わり、新たに田中孝司氏が社長に就任した。新経営体制で田中氏は、KDDIの基盤事業の立て直しを図るとともに、3M戦略の本格化に向けた取り組みを進めてきた。

 その結果、直近のauの解約率は1.03%のソフトバンクモバイル、0.74%のNTTドコモを下回る0.65%で業界最低水準となっている。また、MNP(携帯電話番号ポータビリティー)も12カ月連続で1位を維持しているという。特に「iPhone 5」が発売された9月はMNPの純増数が9万5300となり、プラス1200のソフトバンクと、マイナス9万5200のNTTドコモを大きく引き離しての1位となった。

 「iPhone 5で新規契約が大幅に増えている。そのうちの4割が新規契約。1年前のiPhone 4Sは3割だったので、非常にいい滑り出しになっている。これは10月に入っても勢いが変わっていない」(田中氏)

  • 上期決算のポイント

  • 9月のMNP純増数

  • iPhone 5で新契約が大幅増

 さらに、3月から開始した「auスマートバリュー」は200万契約、「auスマートパス」は250万会員、「au ID」は1000万IDを突破するなど、いずれも好調であるほか、スマートフォンやタブレットなどのマルチデバイス化、LTEサービスをはじめとするマルチネットワーク化も順調に進捗しているとし、「auモメンタムは完全に回復したなというのが我々の認識。3M戦略の基盤についての構築はほぼ完了したと思っている。ちょうど今期を成長起点の年と認識しており、来期はなんとか成長タームにしっかりのせていきたい」と胸を張った。

 なお、同日にはソフトバンクに加えてKDDIからも「iPad」と「iPad mini」が発売されることが発表された。iPadの取り扱いついて田中氏は「iPadも3M戦略の1つの要素だと思っている。スマートフォンだけでなく、タブレットやPCなどもシーンごとに使い分けていきながら、いろいろな用途に対応できる世界を作っていきたい」と説明。具体的な提供プランなどについては「今日の段階ではノーコメント」とした。

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