日本マイクロソフトは7月3日、就任5年目を迎える樋口泰行社長が2013年度の経営方針説明会を開催し、Windows 8を中心としたデバイスに加え、クラウドおよびソリューションを企業戦略上の3大柱として紹介した。現状について、Windows Azureやデータベースなど企業向け製品の売れ行きが特に好調である一方、ゲームや携帯電話事業の売り上げを課題と認識しているとした。
樋口氏は「Windows 8で日本を元気に」と話し、「Windowsの再創造、パートナーエコシステムの拡大、市場の活性化」を推進する考えを示した。
Windows再創造の具体策として強調したのが、Metroアプリ開発者の支援だ。具体的には、Metroのアプリを開発するエンジニアに向け4月に開始した「Go Metroプログラム」を強化する。Metroを担当するエバンジェリストを2倍に増やし、技術支援の専門チームも100人体制を実現するという。開発ツールであるVisual Studioでは、メトロアプリを簡単に作れるようにしていく。
Metroについてパートナーシップも拡大中だ。この日は楽天やリクルート、朝日新聞社、ヤフージャパン、ヤマダ電機など27社のパートナー名を公表した。
さらにMetroアプリとバックエンドシステムのWindows Azureを幅広く連携することや、Windows Storeを利用してグローバル展開を試みる企業のサポートも視野に入れているという。「特にコンテンツ、ソーシャル、ゲーミング分野での開発者を支援していきたい」と話した。
一方、企業向けの取り組みでは、クラウドとソリューションへの注力を表明。ワークスタイル変革、事業継続性、データセンター、タブレット、サービス変革をキーワードとして挙げている。また、ソリューションパートナーと密に連携することも表明した。
就任5年目を迎えた樋口社長は、本社の経営戦略に沿って日本市場での展開を考えるのが日本法人の役割だとした上で「パートナーに受け入れられる組織づくりをしてきた」と振り返った。
質疑応答では、Windows Phone 8について「Windows 8と同じカーネルを搭載するため(販売数増に向け)相乗効果が出る」と話した。また現状について「1機種1キャリアという状況に満足していない」とし、今後さらに販路を拡大する意向を示している。
また、現状の売れ筋としてWindows Azureやデータベースなど企業向け製品を挙げ、「クラウドとオンプレミスをつなぐところ」について高く評価されていると説明。一方、ゲームや携帯電話事業の売り上げを課題と認識しているという。
今後期待している商品についての質問に、ユニファイドコミュニケーションの「Lync」を挙げ、「Lyncが固有名詞ではなく普通名詞になるようにしたい」と強調。
なお、米Microsoftがリリースを発表した「Surface」については現状何もコメントできないとしている。
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