消費者庁による「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」規制検討が5月5日に報道されて以降、ソーシャルゲームを取り巻く環境がまた大きく動いている。
報道では、消費者庁が近くコンプガチャに対する見解を公表し、業界に対応を求めるとしている。
これに対して消費者庁は、「今の消費者庁のポジションは、いわゆるコンプガチャが景品表示法(景表法)上の『絵合わせ(カード合わせ)』に該当するかということ。景表法上の考え方をできるだけ早く明らかにすることを検討している」と説明しており、具体的な事業者名を出して規制について話している段階ではないという。またこの見解については、5月半ばにも出される可能性を示唆した。
この状況について、プラットフォーム事業者らはどのような反応を示しているのか。
グリー、ディー・エヌ・エー(DeNA)はそれぞれ、「現時点で実際に消費者庁から連絡がない」とコメントしている。
また、NHN Japan、グリー、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、ドワンゴ、ミクシィのプラットフォーム事業者6社からなるソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会に問い合わせたところ、現時点では消費者庁からの要請等はなく、「消費者庁に状況を確認しており、これからアポイントを取って話をする予定」(連絡協議会の幹事を担当しているNHN Japan)だとしている。また今後については、「状況を問い合わせた上で、明確な要請があれば真摯(しんし)に対応していくところ」(同上)だという。
では、実際にコンプガチャにまつわるトラブルは増加しているのか。独立行政法人国民生活センターでは、検索システム上に「ガチャ」に関わるキーワードが存在せず、件数については把握できないものの、「オンラインゲームで強いカードを購入するために、ガチャ方式でチャレンジして約5万円も使ってしまった」「カード会社から高額利用料金の明細書が届いた。中学生の息子がゲームで利用した。問題のあるゲームなので請求を取り消して欲しい」「中学校1年生の息子が友人に誘われて、携帯電話のカードゲームサイトに登録した。その後、高額の料金に気づいたがどうしたらよいか」といった問い合わせ事例があるとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」