UPDATE Nokiaの最高経営責任者(CEO)であるStephen Elop氏が、かつて絶大な勢力を誇った同社の携帯電話ブランドを守る道を探るため、社内の大幅な刷新を準備していると報じられている。
Elop氏は英国時間2月11日にロンドンで開催される投資家との会合で、同社にとって大幅な方向転換となる新戦略を発表するとみられている。NokiaはAppleの「iPhone」やGoogleの「Android」プラットフォームを搭載した携帯電話と競合するハイエンド市場で熾烈な競争に直面し、数四半期にわたりマーケットシェアの減少が止まらない状態だ。また、ローエンド市場でも中国メーカーとの競争にさらされている。
内部関係者からリークされたと思われる新戦略の一部がすでに報じられている。Reutersは9日、Nokiaが同社の新ハイエンドモバイルOS「MeeGo」の開発を中止したことを、同社内の複数の匿名情報筋から確認したと伝えた。また、英国のThe Registerの記事は、Nokia内部の「信頼できる情報筋」の話として、同社がフィンランドのエスポーから米国のシリコンバレーへ本社機能の移転を検討していると伝えた。
さらに、The Wall Street Journal(WSJ)によれば、Nokiaは競合関係にあるMicrosoftの「Windows Phone 7」もしくはGoogleのAndroidのいずれかをモバイルOSとして採用予定であることを、今週中に発表する可能性があるという。WSJはまた、Nokiaが自社の「Symbian」ソフトウェアと並行してWindows Phone 7を採用すべく、Microsoftと協議中だと報じている。Elop氏は2010年9月にNokiaのトップに就任する以前、Microsoftで幹部を務めていた人物だ。
Nokiaの担当者はコメントできないとしている。
直近の投資家との決算報告電話会見でも抜本的な改革を示唆していたElop氏だが、同氏がNokiaの現状を容赦なく断じる内部メモが、最近になってWSJとEngadgetにリークされている。
このメモの中で同氏は、Nokiaが競合するAppleやGoogleに対して競争力を失っていると指摘している。AppleのiPhoneは過去数年間にわたりスマートフォン市場で圧倒的優位に立っているほか、GoogleのAndroid OSは、これまで携帯端末分野でNokiaと競合していた各社が無料でオープンソースの同プラットフォームを採用したことで、一気に勢いを増した。
さらにElop氏は、Nokiaの2つのOS(SymbianおよびMeeGo)では、競合他社と戦うには不十分かもしれないと記している。既存のSymbian OSは小回りが利かず、ハイエンド機器向けOSとして約1年前に発表されたMeeGoの開発は、痛ましいほどに遅きに失している。
「われわれはMeeGoこそがハイエンドスマートフォン分野で勝利を収めるプラットフォームになると考えていた」とElop氏は社内メモで述べ、その上で「しかし、このペースでいくと2011年末までに市場に出るMeeGo製品はたった1機種だけかもしれない」と、危機感をつづっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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