米連邦控訴裁判所は、Microsoftが「Word 2003」および「Word 2007」のカスタムXMLタグにおいてi4iの特許を侵害しているという判決を支持した。
同控訴裁判所は、i4iの特許に関する2009年の判決について再審理を求められていた。再審理の対象となったのは、「アーキテクチャと文書の内容を別々に操作する方法およびシステム」に係る特許である。Microsoftは12月に最初の控訴で敗れた後、小法廷による再審理と「大法廷での再審理」を請求していた。テキサス州の同控訴裁判所による米国時間3月10日の決定は、このプロセスの一環である。
i4iの会長であるLoudon Owen氏は声明で、「同控訴裁判所は一審の判決を再び完全な形で支持した。さらに、この件が故意に行われたとする詳細な分析も出されている。Microsoftがi4iの特許を故意に侵害したという判決が支持された」と述べている。
テキサス州の陪審は2009年5月、この特許侵害に関してMicrosoftに対し、i4iへ2億ドルを支払うように命じた。その後、8月には同州地方裁判所が、カスタムXMLを含むXML、DOCX、DOCMファイルを開くことのできる全Word製品について、i4iの請求したMicrosoftの米国内での販売および輸入に関する差し止め命令を認めた。
Microsoftは2010年1月、米国内のみを対象とし、地方裁判所がi4iの特許への侵害を認めた機能を除外したWord 2007のアップデート版を発表した。2月にはi4iが、Word 2007の文書にカスタムXML機能を復帰させる「x4w V 1.0」という製品をリリースした。
カスタムXMLは、在庫システムのようなビジネスプロセスアプリケーションで使用されており、MicrosoftによるカスタムXMLのタグ機能除外によって、企業らはこの機能を利用する「Microsoft Office」ベースのアプリケーションを使用できなくなる、とi4iは述べた。
カナダのトロントを拠点とするi4iは、2007年からMicrosoftに対する特許侵害訴訟を起こしてきた。この訴訟は1998年にi4iが取得した米国特許番号5787449を焦点としている。
連邦控訴裁判所は、Microsoftによる「大法廷での再審理」の請求に関しては、いまだ考慮中であるとしている。裁判官全員が一堂に会して行われるこの形式での再審理が認められることはまれである。
大法廷での再審理は、最高裁判所へ上告する前の最終段階である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力