「Mac OS X」を搭載する「Mac」クローンを販売してきたPsystarに対してAppleが提起した著作権侵害訴訟において、 判事はAppleの主張を支持する判決を下した。
米連邦地方裁判所のWilliam Alsup判事は米国時間11月13日、Appleによる略式判決の要求を認め、その一方でPsystarの反訴を却下した。
Alsup判事は判決(PDFファイル)で、「要約すると、PsystarはAppleの独占的な複製権と販売権、そして派生製品を開発する権利を侵害した」と書いている。この判決は、法律サイトGroklaw.netに投稿されている。
Appleは、PsystarがMacクローンの販売を開始した数カ月後の2008年7月、今回の訴訟を提起した。この訴訟の争点は、非Apple製マシンでAppleのMac OS Xを動作させることができるというPsystarの主張だ。Appleは、同社のMac OS Xのエンドユーザー使用許諾契約ではユーザーがApple製コンピュータにのみ同OSをインストールすることを認めていると述べ、Psystarの主張を否定した。
AppleとPsystarの両社は、訴訟の本案に基づき裁判を行うことなく判決を下す略式判決を要求していた。
AppleとPsystarの両社にコメントを求めたが、どちらからもすぐには回答を得られなかった。
Psystarの主張の1つは、公正使用だった。Alsup判事は、Psystarは「公正使用かどうかを判定する際に使用する4つの基準を満たそうとさえしていない」と述べ、同社の主張を退けた。Psystarは、著作物の購入者にそれを販売する権利を認める「頒布権の消尽」も主張した。しかし、Alsup判事は、頒布権の消尽が適用されるのは合法的なコピーに対してのみで、Psystarが製造する「無許可のコピー」はそれに該当しないと述べた。
さらに、Alsup判事は、Psystarがデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反しているとのAppleの主張を支持する判決も下した。「PsystarはAppleが施した防御策を回避し、そうした回避を目的とする機器を不正に販売することで、DMCAに違反した」とAlsup判事は述べた。
Alsup判事はさらに、Appleが著作権を悪用した、そしてAppleのライセンス契約は不当に制約が多いというPsystarの主張についても棄却した。
Alsup判事の判決には、マイアミに拠点を置くPsystarに対する恒久的な差し止め命令は含まれていなかった。Alsup判事によれば、Appleがまだ差し止め命令を要求していないことがその理由だという。
Appleのこれまでの主張には、契約違反や商標権侵害、商標稀釈化など、今でも法廷に持ち込まれる可能性のあるものがほかにもある。解決策を決定する審理は12月14日に予定されている。公判は2010年1月の開始が予定されていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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