Googleは米国時間11月9日、モバイルディスプレイ広告企業のAdMobを7億5000万ドルで買収して、再び買収戦略を加速させようとしている。
AdMobは、おそらく「iPhone」向けのディスプレイ広告で最も知られるものの、「Android」を搭載する携帯電話向けの広告に注力する事業を最近になって立ち上げていた。AdMobは、依然として規模は小さいものの、急速な成長を遂げているモバイル広告業界におけるGoogleの進出を支え、Googleが目指している広告ビジネスモデルに適合している模様だ。
AdMobの創設者兼最高経営責任者(CEO)であるOmar Hamoui氏は9日にブログ投稿で、「モバイル製品の製造、消費、販売などに関わるあらゆる人々にとって、今回の買収は重大な意味を持つものになると確信しており、大いに期待を膨らませている。実のところ、モバイル業界は、クリエイティブなエネルギー、驚くべき製品、優秀な起業家に常に恵まれてきた。しかしながら、これまでのところは、その業界に関わる者でさえ、モバイルはオンラインでも第2の存在に過ぎないとの印象を抱いていた。だが、その時期は終わりを迎えたとわたしは信じている」と記した。
AdMobは2006年に設立された。同社は、FordやCoca-Colaといった大企業の広告を何千ものウェブサイトに掲載する「Mobile Advertising Network」を運営している。また、同社が管理するトラフィックから収集されるモバイルトレンドについてのデータを分析してリリースしている。
Googleのプロダクトマネージメント担当バイスプレジデントであるSusan Wojcicki氏とエンジニアリング担当バイスプレジデントであるVic Gundotra氏は、同社ブログへの投稿で、「モバイル利用が急激に増大しており、多くの企業がモバイル業界に相当な投資をしてきたにもかかわらず、依然としてモバイルウェブは初期の段階にある」と述べ、「優れたモバイル広告商品は、モバイルエコシステムのさらなる成長に寄与することになると確信している。そのため、われわれは今回の買収へ大きな期待をかけている」と語った。
GoogleおよびAdMobの関係者は9日中に、今回の買収に関して、より詳細な点に至るまで協議する見通しとなっている。プレスリリースによれば、すでに両社が買収に合意しており、友好的な取引が進められることになるという。
GoogleのCEOであるEric Schmidt氏やそのほかの同社幹部が、いまや広告業界に不況の波が押し寄せた最悪期は過ぎ去ったと確信しているとの見解を新たに表明してから数週間が経過しており、Googleが再び買収戦略を展開し始めたことも驚くには及ばない。7億5000万ドルの買収額は、31億ドルを注ぎ込んだDoubleClickや、16億ドルを注ぎ込んだYouTubeには及ばないものの、Postiniに支払われた6億2500万ドルを上回っており、同社の買収案件の中でも高額の事例となる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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