パナソニックは10月30日、2010年3月期第2四半期(7月〜9月)の連結決算を発表した。2009年3月期の第4四半期で赤字となった営業損益を、今期黒字へと転換した。また下期以降の取り組みとして、薄型テレビ事業の生産体制増強などの施策を発表した。
第2四半期の売上高は、前年同期比21%減の1兆7378億円。営業利益は同59%減の491億円、税引前利益は同70%減の253億円、当期純利益は同89%減の61億円となった。パナソニックによれば、為替の影響を除けば、売上高は前年同期比15%減に止めているとのことで、いずれの数値も修正公表値を上回る結果になったという。
代表取締役社長の大坪文雄氏は「全社を上げて取り組んだ経営体質の強化により、限界利益率は年間目標のプラス1.0%のうち、プラス0.5%を実現、固定費の削減も同2600億円のマイナスに対し、2093億円のマイナスにまで持ってきている。これらの取り組みにより損益分岐点額は同マイナス10%からマイナス14%にまで引き下げることができた」と成果を話した。
下期以降の取り組みについては、構造改革・体質強化を下期以降も引き続き取り組むほか、「伸びる市場をとらえる」「次の成長を仕込む」といった方向性を示した。
取り組みの1つは、薄型テレビの生産能力の増強。2009年度に1450万台ある生産能力を2012年度は3000万台までに引き上げるとした。また、エナジー領域への取り組みを加速化させるとし、創エネ、蓄エネ、省エネから構成されるエネルギーマネジメントを、三洋電機のグループ会社化で一気に展開することも明らかにした。これらの取り組みを受け、2010年度から2012年度を「世界ナンバー1への基盤づくり」とし、新中期計画を策定していくという。
海外市場については「スペックを引き算していって安価なものを作るのではなく、新興国の中間所得層のライフスタイルを研究し、そこにフィットした商品を導入していこうと思っている」(大坪氏)とのこと。すでに生活研究により開発した、インドネシア向けの冷蔵庫は好調に推移しているという。
これは、日本向けの冷蔵庫のように庫内を棚やパーツで細かく分けるのではなく、くだものや野菜、さらに井戸水をくんだペットボトルなどの大きな製品を入れて使用するという、インドネシアの生活研究から生みだされたもの。「2010年になると思うが、インドの中間所得層の生活研究を進めており、インド向けのセパレートタイプのエアコンを商品化する」ことを明かした。
また注力するエネルギーマネジメント事業に対しては、三洋電機の子会社化に期待を寄せる。「変換効率の非常に高い太陽光パネルを弊社の販売ルートに載せれば、大きな効果が得られる。両社のノウハウを持ち寄れば生産プロセスももっとコストダウンができるだろう。世界で起きようとしている環境の大きな革命時期に両社で力を合わせてとりくんでいく」(大坪氏)と話した。
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