ソニーは10月30日、2010年3月期(7月〜9月)第2四半期の連結業績を発表した。営業利益は赤字になったものの、投資損益、構造改革費用の影響を除いた営業損益は黒字を達成したとし、通期営業利益を上方修正した。
第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比19.8%減の1兆6612億円、営業損益は326億円の赤字となった。これは売上の減少と円高による影響約770億円、構造改革費用の増加319億円などが影響しており、投資損益と構造改革費用による影響を除けば、営業利益は16%の125億円になるとのことだ。
商品別に見ると、液晶テレビ「BRAVIA」、デジタルコンパクトカメラ「Cyber-shot」、PC「VAIO」などが減収となった。中でも単価下落が大きく、欧米で販売台数が伸び悩んだ液晶テレビ、構造改革費を除くベースで減益となったビデオカメラ「HANDYCAM」などが厳しい状況になっているとのことだ。
ただしHANDYCAMに関しては、裏面照射型CMOSを搭載した「HDR-CX500」などのヒットモデルがあり、販売価格は維持できたとのこと。また、新モデルを投入したゲーム機「PlayStation 3」(PS3)は、販売台数が前年同期の約240万台から第2四半期は約320万台に向上するなど健闘しているという。
広報センター長の神戸司郎氏は「PS3の新モデルは発売当初の力を、現時点でも継続している。今後は『PSP go』の発売もあり、ゲーム機は年末に向け弾みがつくだろう」と今後の見通しを話した。
依然厳しい状況が続く液晶テレビに関しては「来期には黒字にもっていきたい」(代表執行役副社長CFOの大根田伸行氏)とした。ただし単価下落に関しては「今期のはじめに単価下落は20%程度と見ていたが、結果的には24、25%にまで下落してしまった。来期も同じような傾向にあり、横ばいになるということはないだろう」と厳しい姿勢を見せる。
また薄型テレビの競合メーカーあるサムスン電子との違いについて質問が出ると「パネルを生産していること、ウォン安であったことなどが有利に働いていると思う。ただサムスン電子の商品力とマーケティング力が優れているのは認めざるを得ない。例えばLEDバックライトを採用した液晶テレビは、ソニー、サムスンともに発売している。ソニーはハイエンドモデルとして販売しているが、サムスンはボリュームゾーンにまで広げてLEDモデルを打ち出してきた。このあたりはかなり戦略的なやり方だと思う」(大根田氏)と分析した。
今回上方修正された2010年3月期の連結業績予想は、売上高7兆3000億円は据え置いたが、営業損益は7月時点の見通し1100億円から600億円へ、税引前損益は1400億円から700億円へ、純損益は1200億円から950億円へ、それぞれ赤字幅を引き下げる見通しだ。
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