法制審議会が民法の成人年齢(20歳)を18歳に引き下げることが適当だとする最終報告書の原案をまとめ、早ければ来年の通常国会に民法改正案を提出することになると発表されたが、ネットユーザーは成人年齢についてどのように考えているのだろうか。20代から40代の男女に調査を実施し、517名の回答を集計した。
以下、問いは仮に成人年齢が18歳になったとして、現民法で成人(20歳)からと定められているものを18歳がすることについてどう思うかを答えてもらった。
はじめに、選挙権を持つことについて聞いたところ、「とても良いと思う」が18.6%、「どちらかというと良いと思う」が43.5%と「賛成派」が62.1%を占めていた。男女別に見ると男性は67.0%が「賛成派」だったのに対し、女性は55.6%とやや消極的で、年代別では、30代が55.1%と他よりも10ポイント近く低かった。
次に、飲酒・喫煙をすることについて聞いたところ、「賛成派」は全体の28.8%にとどまったが、男性は34.4%とポイントが高めで女性よりも寛容な考えのようだ。また、年代別では、若い年代ほど「賛成派」が多かった。
自らの判断でローン契約などの締結することについては、「賛成派」が24.4%とこちらも「反対派」が多数。性別年代別に見ると、男性が34.0%、20代が28.5%と他よりもポイントが高めであった。
続いて、馬券を買うことについて聞いたところ、全体の34.4%が「賛成派」であったが、男性が44.6%に対し女性は21.1%と、男女間ではっきりと意見の違いが見られた。年代別では、こちらも20代が他よりも若干多めであった。
また、刑法上の未成年者保護を適用することについて聞いたところ、「とても良いと思う」が29.4%と意欲的な人が多く見られ、「どちらかというと良いと思う」の26.5%と合わせると「賛成派」が55.9%に上り、性別年代問わず「賛成派」が半数以上を占めていた。
年金加入資格年齢が18歳になることについても、性別問わず「賛成派」が半数以上で、特に昨今の年金問題を受けてか40代では63.6%と高ポイントだった。
税理士などの公的資格を取得することについては、「とても良いと思う」が38.9%、「どちらかというと良いと思う」は40.4%と実に5人に4人が「賛成派」であった。特に、男性は83.3%、20代は87.1%とポイントが高く目立っていた。
以上の質問をした最後に、15歳から24歳までの年齢を提示し適切だと思う成人年齢を聞いたところ、全体の45.6%が「20歳」と回答。改正案の「18歳」は27.9%と現行の成人年齢である「20歳」にやや差がつけられる結果となった。
しかし、男女別に見ると男性は「20歳」が41.5%、「18歳」が33.7%で、女性は「20歳」が51.1%、「18歳」が20.2%と男性のほうが「18歳」を支持している人が多く、加えて18歳が公的資格を取得することや選挙権を持つことにも女性より支持しているなど、女性に比べると男性の方が肯定的な様子。成人年齢については、男女間で意識の違いがあるようだ。
ちなみに、適切な成人年齢を「18歳」とした人の回答を見てみると、いずれの設問も「賛成派」が多数を占めたが、飲酒・喫煙やローン契約の締結については適切な成人年齢を「18歳」とした人でも「賛成派」が半数程度にとどまっていた。何もかもOKとはいかない、ということだろうか。
関連調査:成人年齢に関する意識調査(1回目)
調査はブロガー向け情報サイト「ブロッチ」などネットマーケティングを展開する株式会社アイシェアが、同社の提供するサービス会員をパネラーとして行った。
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