有料ポイントの販売については、10月より開始して同月に1000万円の売り上げがあったという。「想定どおりのスタート」(小林氏)とのこと。当初予定していたニコニコ動画内でのゲームサービスが「このままでは品質が足りないと判断し、提供を中止した。仕切りなおしのため準備を進めている段階」(小林氏)のため、現在は仮想空間「ai sp@ce」でのみ利用可能だ。
12月4日より開始する「ニコニコ動画(ββ)」では、ニコニコポイントを使って利用するサービスを増やす。具体的には、有料コミュニティや有料チャンネル、有料コンテンツの提供を予定している。
これらの施策により、ニコニコ動画の収益を示すポータル事業の2009年9月期の業績は、有料会員収入が18億4300万円、広告収入が15億4200万円、有料ポイント収入が11億9100万円、「ニコニコ市場」と呼ばれるアフィリエイト広告収入が1億8800万円、その他収入が3600万円となり、合計で48億円の売上高となる計画だ。
なお、費用については回線やデータベースなどの費用が22億3000万円となる見込み。そのほか減価償却費や販売管理費などがあり、上期はひきつづき赤字となることから、同期の営業損失については8億円となる見込みだ。2009年9月末におけるニコニコ動画の会員数は1420万人を予定している。
夏野氏は12月25日に開催される株主総会での承認を経て、取締役に就任する計画。「複数の企業の取締役をしているが、たまたまドワンゴだけが株主総会が12月なので、取締役就任が遅れただけ」(夏野氏)。ドワンゴ内にオフィスを構え、ニコニコ動画事業を中心に活動しているという。「ニコニコ動画は日本のネットのなかで最大、かつシンボリックなメディアなので、この事業に賭けたい」(夏野氏)と意気込んだ。
ドワンゴの2008年9月期の業績については、着うたなどのモバイル事業が堅調だったものの、ニコニコ動画の費用増に加え、ゲーム事業が不調だったことから、売上高は前年同期比12.2%増の249億7800万円、営業利益は同68.6%減の1億1500万円となった。また、投資有価証券評価損の計上や、繰り延べ税金資産を全額取り崩したことなどにより、純損失は22億9800万円となっている。
また、2009年9月期の業績見通しについては、ポータル事業の大幅な伸びと利益改善により、売上高を前年同期比15.7%増の289億円、営業利益は同265.2%増の4億2000万円、純利益は2億8000万円の黒字に転換するとしている。
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