億万長者投資家のCarl Icahn氏は、年次株主総会で米Yahooの現取締会役員席を奪い、MicrosoftとYahoo合併への道を開く努力の一環で、テクノロジ業界の大物であるMark Cuban氏らの力を借りようとしている。
Icahn氏は米国時間5月15日、Yahooの現取締会役員の交代を要求し、その新たな10名から成る取締会役員候補として、Broadcast.comの創設者、Dallas Mavericksのオーナー、さらにはHDNetの会長でもあるCuban氏を、Yahooへの対立候補の中核に据えた。皮肉にも、Cuban氏は、1999年にBroadcast.comを、Yahooへ50億4000万ドルで売却した人物でもある。
Cuban氏は、Icahn氏が指名した他の新取締会役員候補とともに、7月3日に開催される年次株主総会にて、1年の任期で改選予定のYahooの現在の10名の取締会役員全員の追い出しを図っている。
Icahn氏は、新たな10名の取締会役員を送り込み、Yahooに対して、1株あたり33ドルまで買収提示額を引き上げたものの、気のない対応を受けて買収案を撤回してから2週間も経過していないMicrosoftと、再び交渉を開始するように圧力をかけていくつもりである。
Yahoo会長のRoy Bostock氏に宛てた書簡の中で、Icahn氏は次のように語っている。
「1株あたり33ドルというMicrosoftの提示額は、Yahooが独立企業であり続ける展開に代わる、はるかに優れた案であることは極めて明白である。私は、取締役会が取った行動に困惑している。あまりにも楽観的な業績予測という経営手法の陰に隠れるのは、無責任なことである。最初にMicrosoftが買収を持ちかけた前日終値の、19.18ドルというYahooの株価に対して、72%ものプレミアムを上乗せした買収案の受け入れを、あなたが株主に対して許さなかったのは、非良心的である」
さらに、Icahn氏は次のように続けた。
「この1週間のうちに、多くの株主が私に対して、現在の取締会役員を追い出し、Microsoftとの合併成功を目指して交渉を進められる新取締役会を設立するため、委任状争奪戦を率いるようにと勧めてくれた。私の意見では、現経営陣は、(Microsoftの買収案を退けるという)完全なる失敗を犯した」
もしIcahn氏が委任状争奪戦を制することになれば、新たな取締役会は、株主の権利を守る目的で導入された、「ポイズンピル」と呼ばれるYahooの乗っ取り防止策を排除する可能性が高い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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