米Yahooの2008年第1四半期の決算報告が来週に迫る中で、あるアナリストは、Yahooの売り上げが、予測レンジでも低いレベルにとどまるとの予測を明らかにしており、他の複数のアナリストが、Microsoftとの買収取引は今週中にも大きく進展する可能性を示唆している。
UBS Securitiesのアナリストは、Yahooが、1株あたり32〜35ドルの間で、Microsoftからの買収提案に応じる可能性が高いと予測する。
UBSアナリストのBenjamin Schachter氏およびHeather Bellini氏は、いくつかの具体的な要因を挙げつつ、両社が今週中に交渉を開始したとしても、特に驚くべきことではないと語った。
まず、最初の要因として、両アナリストは、Duane Morrisの訴訟担当弁護士であるGlenn Manishin氏との会合を引き合いに出し、Yahooが、Microsoftと組むことは独占禁止法違反の懸念があると主張しているものの、この理由で規制当局が買収に異議を唱える可能性は、わずかに15〜25%に過ぎず、あまり根拠がないという点を指摘している。
Microsoftが、3週間以内に買収提案に対する結論を下すことを迫る最後通達を出したことに対する、Yahooの回答書簡の中では、両社の合併を巡って、独占禁止法違反を調査する規制当局の見解を、Yahooが深く憂慮しており、この件に関してMicrosoftに回答を求めた追加情報の提供を、Yahooが依然として待っている状況にあることが示された。
米国時間4月22日に予定されているYahooの第1四半期の決算報告も、さらなる要因となっており、Yahooが、予測を上回る業績を報告して、サプライズを提供できる可能性は低い。
Schachter氏は「最近になって、Yahooは業績予測の修正などを繰り返したものの、広範囲の予測レンジと現状の経営実績を考慮に入れるならば、好業績のサプライズ報告があるとの期待を抱くのは難しそうだ。株価は、買収案への期待感を含む展開を続けるだろう」と、調査報告に記している。
ウォール街では、Yahooの第1四半期の売り上げが、12億8000万〜13億8000万ドルのレンジになると予測が出ている。
Thomson Financialによれば、ウォール街アナリストのコンセンサスは、Yahooの第1四半期の売り上げが約13億3000万ドルで、純利益が1株あたり9セントにとどまるという予測になっている。
Yahooの売り上げが、予測レンジの最低レベルにとどまったとしても、驚くべきことではないと評価するアナリストもいる。
Cantor FitzgeraldのアナリストであるDerek Brown氏は「第1四半期中にMicrosoftとの交渉が騒動になり、好業績を期待できるほど楽観視できる状況にはないだろう」と述べている。
Schachter氏は、インターネットおよび広告業界全体の支配的な見解を考慮に入れつつ、調査対象となっている多くの企業に関して、「2008年の残りの期間の業績に、慎重な評価を下している」と、調査報告に記した。
「広告や消費者の購買に頼る企業が、広範囲の景気後退の影響を免れる可能性は非常に低いと考えている。それで、より確実に手応えをつかみ、ターゲットを絞れる手法へとシフトして、広告主が資金を注ぎ込むようになる中で、全体的な(広告)予算に影響が生じ、オンライン広告費の成長速度も、マクロ的な縮小がない場合と比較して、かなり低いレベルにとどまると、引き続き予測している」と、Schachter氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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