Facebookは、同社が中国のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)である「Zhanzuo.com」(占座)の買収を検討している、という報道を否定した。
イギリスに本拠を置くTimes紙のオンライン版「Times Online」が現地時間11月19日に掲載した記事によると、FacebookはZhanzuo.comに対して8500万ドルの買収額を提示したという。Zhanzuo.comには約700万人のアクティブユーザーがいる(Facebookのユーザー数は5000万人強で、そのうちの約10万人は中国にいると、Times紙は伝えている)。
同紙は、Facebook広報担当者が、「Zhanzuo.comの最高経営責任者(CEO)Jack Zhang氏は、Facebookの創設者でCEOのMark Zuckerberg氏と知り合い」であり、「今月(2007年11月)の終わりにはより多くの情報が出てくるかもしれない」と述べたと報じた。だが、Facebookの関係者は11月19日午後、CNET News.comによる取材に電子メールで応じ、買収の提案は一切ないと否定した。
Facebookの関係者は次のように答えている。「提案したことは一度もないし、いかなる中国企業の買収もFacebookでは検討していない。Times紙が言及している広報担当者が誰なのか見当もつかないし、記事の内容確認のために同紙から連絡を受けたこともない」
これまでのところ、Facebookが買収した企業は、「Firefox」ブラウザの考案者が創設した新興企業、Parakeyだけだ。しかし、Facebookが英語以外の言語にその領域を拡大しようとしているとの噂が、数週間前から広まっており、同社がその戦略に挑むとすれば、国際的な企業買収も1つの方法となる。
さらに、Facebookが中国企業を買収するなら、多くの米国企業にとって政治的な事情で参入が難しい中国市場への足がかりも得られるだろう。Yahooは11月6日、2人の中国人ジャーナリストが投獄されるきっかけとなった情報提供に関し同社が果たした役割について、米下院外交委員会の聴聞会で厳しい追及を受けている。
だが、中国版Facebookができたとしても、競争と無縁でいられるわけではない。Facebookにとって最大の競合相手であるMySpace.comは、2006年に中国語版サイトを立ち上げている(MySpace.comはNews Corp.が所有しており、News Corp.はThe Times紙も所有している)。さらに、SNSの「Friendster」も、米国ではMySpace.comやFacebookに差をつけられたままだが、驚くべきことにアジア進出を果たし、2007年9月に中国語版サイトを立ち上げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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