イスラエル、テルアビブ発--目にも見えず存在さえ察知できない化学物質を繊維に混入させることでシャツを識別できるとすれば、シャツにRFIDチップを取り付ける必要はあるだろうか。
これは、CrossIDの最高経営責任者(CEO)Moshe Glickstein氏が、これからの顧客だと見込む人々に投げかける問いかけだ。イスラエルに本拠を置くCrossIDは、繊維、ラベル、インク、箱などさまざまなものに化学的な署名を施す方法を開発した。特定の周波数に調整したハンドスキャナやドアスキャナを対象物に向けると、中に混入しているさまざまな化学物質が反応して信号を放つ。信号は、化学物質のどれが存在しどれが存在しないかの組み合わせによって異なるため、個々の物品を識別するIDとして利用することができる。
「(化学物質の)パターンは重要ではない。重要なのは、それぞれの化学物質があるかないかだ」と、Glickstein氏は、テルアビブを皮切りに現地時間6月26日から始まったInternational Summitの会場での取材に対して語った。このイベントは、シリコンバレーに本拠を置く投資グループSilicom Venturesの主催によるものだ。
Glickstein氏によると、偽造品を追放する取り組みを行う小売業者が増えているため、このテクノロジは、いずれRFID(無線IC)タグに代わる安価な選択肢として利用されるようになるだろうという。1つの物品にこの化学物質による署名を施すのにかかるコストは、1セントにもならない見込みだ。RFIDタグの価格は理想とされる5セントにさえまだほど遠いのだと、Glickstein氏は指摘した。
「われわれは大学教授にも意見を聞いたが、偽物を作ろうとしても難しいし時間の無駄だと言っていた」とGlickstein氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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