カリフォルニア州パロアルト発--「地球の日(4月22日)」を目前に控え、スタンフォード大学の研究者たちは、地球環境の浄化が容易ではないと指摘した。
米国時間4月21日にスタンフォード大学で開催された経済フォーラムの発言者たちによると、石油の価格とその需要は今後数年間も上昇を続け、またクリーンな代替エネルギーを普及させるには多大な努力が必要だという。
「われわれは重大な転換期にさしかかっている。(石油価格の)高騰は一時的なものではなく、長期にわたって持続すると予想される」と、スタンフォード大学の経営科学・工学の教授Jim Sweeney氏は述べた。「人類はいまだ、従来のエネルギー源に大きく依存している。もし、地球規模の気候変動の問題に取り組もうとするなら、輸送用の燃料として使われる石油と、発電に使われる石炭をどうにかしなくてはならない」(Sweeney氏)
石油価格は現在、1バレル70ドルほどで推移しており、2009年まではこの水準を維持するとSweeney氏は言う。先物市場のデータによれば、2012年には1バレルおよそ67ドルにまで下がると見込まれている。
さらに、石油販売による利益の多くが米国外へと移っていくだろう。ExxonMobilは通常、世界最大の石油会社とされているが、石油備蓄量に関して言えば、実際のランクは世界14位だ。Saudi Aramcoなど石油備蓄量のもっと大きな企業が13社ある。
チャド、イラン、アンゴラ、ロシア、ベネズエラなど、政情が非常に不安定な国々からの石油供給量が増えていることも、問題を複雑にしている。こうした国々からの供給は、政変によって激減する可能性があるからだ。
化石燃料への依存から脱却するために取り組まなければならない課題には、さまざまな面がある。たとえば、クリーンテクノロジーの促進に向けて政策の迅速な転換ができていない政府が多いのも問題の1つだ。とはいえ、前進は見られる。ブラジルでは、サトウキビからエタノールを製造するために数十億ドルを投入し、現在では輸送用燃料の約40%をエタノールが占めるようになっている。
一方、米国では1980年代半ばから燃料効率の水準がさほど改善されていない、とSweeney氏は言う。米国では最近になってエタノールの利用がいくらか進んだものの、エタノールを補給できるスタンドは数百カ所しかない。
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