Shane Eten氏は、かつて高性能Linuxサーバメーカーの製造担当ディレクターだった。しかし、現在同氏は、ゴミの収集家を目指している。
バブソン大学ビジネススクールの大学院生であるEten氏は、大量の有機固形廃棄物を堆肥化処理する事業計画を作成した。同氏の会社であるFeed Resource Recoveryは、マサチューセッツ工科大学(MIT)が主催する企業家を目指す人々のためのコンテストIgnite Clean Energy Competitionにエントリーしている。同コンテストには2006年、Eten氏の会社を含め10組が参加している。
Feed Resource Recoveryの背後にある技術は、有機物質をバクテリアによって分解し、その過程でメタンガスを作り出す、嫌気性消化と呼ばれる技術だ。廃棄物を扱う工業規模の堆肥製造装置は、「バイオガス」を発生させる牛糞が大量にある農場などで、すでに商業的に利用されている。
Eten氏は、そのような装置を都会の環境の中で使おうと考えている。同氏の計画では、スーパーマーケットから有機廃棄物を集め、それらを近くで処理する必要がある。残飯や紙製品などのゴミは全て堆肥化が可能だ。
Eten氏は、「私は環境保護を考えたことは一度もなく、単に新しい技術が好きだったにすぎない」と述べ、さらに「私はこの事業について、新しい技術を販売する事業だと考えている」と付け加えた。
嫌気性消化装置からは、2つの副産物が生まれる。1つは、液体肥料となるメタンガスで、もう1つは固形堆肥だ。Eten氏は、これらの副産物の大規模な販売を計画している。
Eten氏は、「Cradle to Cradle」という書籍の共著者であるデザイナーのWilliam McDonough氏に刺激されたという。McDonough氏は著書の中で、自然環境にほとんど影響を与えず、むしろプラスの影響を与えるような製品のライフサイクルの設計が可能だ、と主張している。
最近は、各店舗がゴミの選別により積極的になりつつあるため、Feed Resource Recoveryの事業計画の実現可能性は数年前に比べ高まっている。しかし、未だ創業資金の資金繰りの目処は立っていない。
「この事業の最大の特徴は、市場が巨大という点だ。何しろゴミはそこら中に溢れている。この事業が今後どのように発展するかは誰にも予測できない。」(Eten氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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