Oracleは米国時間14日、オープンソースデータベース企業Sleepycat Softwareを買収したことを発表した。買収総額は明らかにされていない。
Oracleによれば、Sleepycatのオープンソースデータベース「Berkeley DB」は、Oracleの既存のプロプライエタリデータベース製品ラインを補完するものになるという。
Sleepycatの買収は、ここ数週間噂されるようになっていた。今回の買収により、Oracleは自社のプロプライエタリデータベース製品に、また新たなオープンソース製品を追加することになる。先週開催された投資家向けのカンファレンスでは、同社CEOのLarry Ellisonが、オープンソースとプロプライエタリ製品を組み合わせることで利益を上げていくというOracleの戦略を、改めて強調している。
Oracleのデータベースサーバ技術部門バイスプレジデントAndrew Mendelsohnは「Sleepycatの製品は、高速かつ信頼性の高いデータベースを低価格で実装したいと考える企業に対し、エンタープライズレベルのサポートを提供するもので、Oracleの業界有数のデータベース製品ファミリーを強化してくれる」と、声明の中で述べた。
SleepycatのBerkeley DBは、アプリケーションに組み込まれる前提で開発されている点が、Oracleの主力製品「Oracle Database 10g」と異なっている。SleepycatのCEOであるMike Olsonは米国時間2月13日、CNET News.comのインタビューに応じ、同社の顧客の大半はサードパーティ企業や付加価値再販業者だと話した。
Olsonによれば、リレーショナルデータベースシステムで用いられる「SQLの強力な機能を必要としない企業が、Berkeley DBを使用している」という。「データを安全かつ即時に保管する必要があり、しかもそれを利用することが前もって分かっているシステムやデバイスで、Berkeley DBは用いられている。電子メールサーバやスイッチおよびルータのような機器が代表的な例だ」(Olson)
カリフォルニア州エメリービルに本社を置くSleepycatでは、デュアルライセンスモデルを採用して、データベースの無料オープンソース版を提供している。一方、同製品を有償で利用している顧客には、商用ライセンスを適用している。
Oracleが過去数カ月以内に取得したオープンソースデータベース企業は、Sleepycatで2社目となる。Oracleは2005年10月、オープンソースデータベース「MySQL」向けのストレージエンジンを提供していた、フィンランドのInnobaseという小さな企業を取得した。MySQLは、オープンソース企業とともに、Oracleのデータベース事業を脅かしつつある存在だ。
Oracleはこうしたローエンド向けデータベースの進出を受けて、Oracle Database 10gの無料版を先頃リリースしている。
このほかにもOracleは、オープンソースミドルウェア企業JBossに買収を持ちかけているとも報じられている。JBoss買収の可能性については、両社ともにコメントを拒否している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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