OracleとSun Microsystemsの最高経営責任者(CEO)が舞台の上でパートナーシップを誓い合ってからわずか2週間で、ある1つの問題をめぐり、両社の意見は食い違い見せ始めた。
Javaサーバアプリケーションの開発に使用されるSunのソフトウェア「NetBeans」に関するOracleの支持について、両社の理解が異なりを見せている。共同開催イベントにおけるSunのCEO、Scott McNealyは、「NetBeansに対するOracleの強い支持」を高らかに宣言していた。
しかし、それに比べ、OracleのLarry Ellisonの反応はいくらか冷めていた。「もちろん、SunのNetBeansへの取り組みは重要なことだと考えており、慎重に見守っている」とEllisonは述べた。しかし、OracleがJavaについて注力しているのは、自社の「JDeveloper」と複数企業によるツール「Eclipse」だとも同氏は述べた。
Oracleデータベースを搭載したSunのサーバがよく売れていることから、両社は緊密なパートナーだとみなされている。したがって、NetBeansや、その他の競合する商品に関して両社の意見が異なれば、世間の注目を集めることになる。今回の場合、Javaをラインセンスする企業としても、Eclipseを支持する企業としても、Oracleの存在は大きいため、同社のスタンスは重要な意味を持つ。Eclipseは、業界で幅広い支援を受けているプロジェクトであり、NetBeansの強力な競合商品でもある。
両社がパートナーシップを続けていくことを、Oracleは明らかに否定したわけではない。しかし、どちらの会社も意見を撤回する気はないようだ。実際、両社が外部に向けて発表する意見は、共同ミーティングの時点にも増して、違いを明白にしている。
「NetBeansが支持されるということは、このコミュニティが成長を続けていることを示し、独自のツールセットを所有している大企業さえも加わっていきている」と、1月15日付けのCNET News.com宛ての電子メールで、McNealyは語っている。
Sunは米国時間25日、同社の主張を繰り返している。Sunの広報担当Terri Moliniは、「OracleはJDeveloperとEclipseをサポートし、また、NetBeansも支持している」と述べた。さらに、Sunは同日、OracleがNetBeansを支持することによって、「オープンソースとコミュニティベースの開発によって革新がさらに推進され、すべてのプラットフォームにおけるJava開発を急速に推し進めることになる」という内容のマーケティング資料を配布した。
Oracleは、NetBeansを検討していることを認めてはいるが、積極的に支持しているという状態からは程遠い。NetBeansとJDeveloperは真っ向から競合するものであることから、当たり前のことだ。それ以外にも、Oracleは自社プロジェクトに対する支持票を集めようとしているかに見える。
20日に発表されたインタビューで、Oracle Fusion Middlewareのシニアバイスプレジデントを務めるThomas Kurianは、「現時点で、OracleはJDeveloperとEclipseに集中しており、NetBeansやそれに関連する技術を採用する予定はない。業界のだれが言ったとしても、わが社の意向と反対のことを述べる発言は事実に基づいたものではない」と述べた。
25日に発表された声明では、Oracleは、JDeveloperとEclipseに集中しながらも、NetBeansへの注意を怠らないようにするという意見を繰り返し述べるにとどめていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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