NTTドコモが次世代の携帯電話端末の開発に向けて本格的に動き出した。携帯電話向けのJavaプラットフォームを開発するアプリックスと、携帯電話向けブラウザを開発するACCESSの第三者割当増資をそれぞれ引き受け、アプリケーションの開発を加速させる。これは3社が11月30日に明らかにしたもの。ドコモが引き受ける増資の総額は2社合計で279億円となる。
アプリックスについては、新規に発行する株式1万5000株を129億7500万円で引き受ける。1株あたりの価格は86万5000円で、これは11月29日のアプリックス株の終値に対して5%のディスカウントとなる。ドコモの持株比率は14.98%となり、同社取締役社長の郡山龍氏を抜いて筆頭株主に躍り出る。なお、NTTドコモの子会社で投資事業を行うドコモ・ドットコムがすでにアプリックスの株式を3000株保有しており、NTTドコモグループの持株比率は合計で17.98%となる。払込期日は12月21日だ。
この一方でACCESSの場合、ドコモはこれまでACCESSの総発行済株式数の7.12%を保有する第3位の株主だったが、保有比率をさらに高める。ACCESSが新規に発行する株式6356株を150億16万円で引き受ける。1株あたりの価格は236万円で、これは11月29日の終値と同じ額だ。増資後のドコモの保有比率は11.66%となり、第2位の株主となる。払込期日は12月20日だ。
アプリックスはJavaプラットフォーム「JBlend」を、ACCESSは組み込み用ブラウザ「NetFront」をそれぞれ開発して提供している。2社ともにドコモは大口顧客で、ソフトウェアの開発を共同で進めるなど強いパートナー関係にあった。
今回の出資はいずれも「これまでのアプリケーション開発における協力関係をさらに強化するもの」(ドコモ広報)という。次世代の携帯電話端末向けに、高機能化、差別化につながるアプリケーションをそれぞれ共同で開発するという。また、アプリケーション開発企業のコミュニティを構築するとしているが、具体的な内容については明らかにしていない。
同日都内で会見したアプリックスの郡山氏は「単なるJavaの開発だけなら130億円近い資金は必要ない。Java以外のアプリケーションも開発する」と話した。Linuxベースの携帯電話で利用できるアプリケーションを中心に開発を進めるとみられる。このほか、ドコモがSun Microsystemsと共同で進めている携帯電話向けJavaの開発プロジェクト「Star Project」に、アプリックスが参加することも明らかにした(関連記事)。
「Star Projectの詳しい内容は明らかにできないが、1度に複数のアプリケーションを駆動させるなど、Javaの力を最大限に発揮できるようにするのが目標だ。現在の携帯電話のように万人が同じ端末を持つのではなく、1人1人に合う形に製品が変わっていく」(郡山氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス