日立製作所、東芝、松下電器産業の3社は、薄型テレビ向け液晶パネル製造及び販売の合弁会社を設立することで合意したと発表した。合弁会社は2005年1月の発足を予定しており、日立の100%子会社である日立ディスプレイズが50%を出資、東芝と松下がそれぞれ21〜25%を出資する他、今後液晶パネル製造関連の企業からも出資を募る。会社名、代表者などについては未定。
合弁会社が製造するのは、23インチから32インチまでのテレビ用アモルファスTFT液晶パネル。日立ディスプレイズの茂原事業所内に製造ラインを建設する。量産開始は2006年の予定で、2008年には32インチ換算で年間250万台の生産能力とする計画。合弁会社が生産する液晶パネルは日立ディスプレイズが開発してきたIPS(横電界)方式を採用する。3社によれば、高視野角で色再現性に優れ、低コスト性にも優れているという。
液晶パネルの分野では韓国サムスンとソニーが第7世代の液晶パネル製造で合弁会社S-LCDを4月に設立し、2005年上半期の製造開始を計画している。また、1月より第6世代のラインを稼働しているシャープの亀山工場では、2004年度に900億円を投資し年末までに生産能力を年初の3倍にするなど、競争環境が激化している。
合弁会社の生産ラインは第6世代と見られるが、このタイミングで参入することについて、日立ディスプレイズの取締役社長 米内史明氏は「消費者が望んでいるのは第7世代ではなく、リーズナブルな価格で画質の良い製品。IPSなら23インチにから32インチに特化して十分競争力のある製品が作れる」と言う。日立、東芝、松下の3社は合弁会社から液晶パネルを購入し、薄型テレビを生産するが、東芝と松下が現在購入しているシャープとの取引は継続するという。また、東芝がキヤノンと共同開発しているSEDや松下が展開しているプラズマディスプレイは37インチ以上の大型製品に特化する形ですみ分けが可能だという。
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