電子情報技術産業協会(JEITA)、台湾TFT-LCD工業会(TTLA)、韓国電子ディスプレイ研究組合(EDIRAK)の3団体は1月20日、地球環境保護を考慮したLCD(液晶ディスプレイ)の開発に関して、共同声明を発表した。台湾新竹地区で開催した「世界液晶産業協力会議(WLICC)」の第2回会議の中で定めた活動方針を3団体が確認したもの。
なお同会議は、シャープ・ディスプレイ技術開発本部副本部長の船田文明氏が議長を務め、三星電子副社長のKyu-Ha Chung氏、AUオプト社長のH.B.Chen氏などが代表として参加した。
共同声明では、「環境問題への関心が世界的レベルで高まる中、全メンバーが共通の認識を持ってLCDの開発を促進していく」とし、WLICCの今後の活動テーマを定めた。活動テーマとは、(1)地球温暖化対策への適切な対応、(2)LCDの廃棄処理などに関連した情報交換、である。
(1)では、JEITA、TTLA、EDIRAKの3地域において、TFT-LCD製造工程から排出されるPFC(パーフルオロ化合物)ガスの目標排出量を定めた。絶対排出量を2010年までに0.82MMTCE以下にするという。PFCガスは、LCDの製造工程で用いられる。排出後、大気中での寿命が長く、その地球温暖化係数は二酸化炭素の数千倍以上と言われている。0.82MMTCEという目標排出量は、1998年における世界全体の地球温暖化ガス放出量の0.013%に相当する。もし削減措置をとらなければ、2010年の総排出量は目標排出量の10倍以上となり、半導体産業全体の目標排出量をも超えてしまうという。
(2)は、今後の廃LCDの増加に伴い、鉛、水銀、液晶材料の管理が問題になると予想されることから、LCDの廃棄処理に関連した情報交換を積極的に行っていくというもの。これにより環境負荷を最小限にするための努力を続けていくとしている。
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