米インターネットオークション最大手のeBayが、VoIPサービス大手のSkypeを買収すると発表した。買収金額は約26億ドルで、現金およびeBay株式による支払いに加え、業績に応じた金額が上乗せされるという。
eBayのCEOは米国時間12日付けの声明のなかで、「コミュニケーションは、Eコマースとコミュニティに欠かせないものである。eBayとPayPalというEコマース関連の2大ブランドに、インターネット上の音声コミュニケーション分野を代表するSkypeを組み合わせることで、世界中の買い手と売り手にとって、他に比肩するもののないEコマース/コミュニケーションのエンジンが生まれることになる」と述べている。
Niklas ZennstromとJanus Friisの2人が2002年に創業したSkypeでは、ネットワークに接続するPCや携帯端末向けに、PtoPの仕組みを使ったVoIPソフトウェアを提供しており、現在約5400万人のユーザー同士は無料で通話することが可能だ。また同社の提供するプレミアムサービスを利用すれば、通常の固定電話や携帯電話との通話も可能となるほか、ボイスメールやインスタントメッセージ(IM)機能も提供されている。さらに現在同社はテレビ電話機能などの開発を進めるとともに、自社の技術やサービスをベースにアプリケーションなどを開発するサードパーティの獲得にも取り組んでいる。
同社の話では、Skypeのソフトウェアは現在1日に約15万回ダウンロードされているというが、こうしたユーザー急増を受け、サービスの品質低下やサポート体制の不備を指摘する不満の声も上がっていた。
さらに、先ごろインターネット検索最大手のGoogleが「Google Talk」という音声通話機能付きIMを公開したことで、Skypeの優位が脅かされるとする懸念の浮上していた。
なお、今年7月にはYahooがSkypeの買収に乗り出しているとの憶測が流れていたが、この際にはZennstromがこの噂を否定。同社の筆頭株主であるベンチャーキャピタリストのTim Draper(Draper Fisher Jurvetson)も、「たとえオファーがあっても10億ドル以下の金額では決してSkypeを手放すことはない」と述べていた。
この点から、今回のeBayによる買収決定は、この金額面での条件を上回ったことに加え、Googleをはじめとする大手企業との競合に直面しつつあるSkypeと、主力のオークション事業を強化したいeBayとの思惑が合致した結果と思われる。
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