日本企業のACCESSがPalmSourceを買収すると発表した。ACCESSの幹部は同買収により、PDA市場の創出に貢献したオペレーティングシステム(OS)のPalm OSが消滅することはないことを明らかにした。
日本企業ACCESSの幹部は、9日に発表した3億2430万ドルに上るPalmSourceの買収契約は、Palmおよびソニー、京セラ、韓国のSamsung Electronicsなど40を超える企業が製造している3900万台以上のPalmデバイスに、ただちに影響を与えるものではないと述べた。
またACCESSの関係者は、「Palm OS Garnetを含め、現在採用されているPalm OSのサポートは引き続き行う。今回の契約の目的は、両社間の相乗効果を最大限に発揮することだ。ラインセンシとの関係を崩すつもりはない」と話している。
ACCESSでは、PalmSourceが2005年にChina MobileSoftの取得を完了させた時に開始した、LinuxベースのPalm OS開発を最後までやり遂げる意向だという。ただし、そのタイムスケジュールはまだ明らかにされていない。
GartnerのアナリストTodd Kortは、「両社は現行の状態を可能な限り維持するつもりのようだが、これは思ったより難しい作業になるだろう。このプロジェクトはPalmSourceの2005年に最も力を入れてきたプロジェクトで、これを達成するには18〜24カ月かかると同社は話していた」と説明した。
ACCESSは、同社のLinuxベースブラウザ「NetFront」と、Garnetの名称で知られるPalm OSバージョン5.xを組み合わせていく予定だ。同社関係者によれば、ACCESSは、PalmSourceによる広範なライセンシングが行われなかったPalm OSバージョン6(Cobalt)についても、その復活を考えているという。
Palmの社長兼CEOであるEd Colliganは短い声明を発表し、今回の買収を支持しているが、PalmはもはやPalm OSに固執していないと述べた。また同社CFOのAndrew Brownは先ごろ、CNET News.comに対して、同社が最新のモバイルバージョンWindows上で動作する「Treo」スマートフォンを開発したことで、これまでPalm OSベースの機器の購入をためらっていた企業顧客を取り込める可能性が出てきたと話している。
PalmSourceは、モバイルアプリケーションの開発コミュニティがおよそ40万人規模に達しているとアピールしている。Palm OSにLinuxコードがより多く組み込まれるようになれば、この規模はさらに大きくなると考えられる。
「Linuxに対する新たな追随を考えると、PalmSourceをアジアの企業が買収したことは偶然の産物とは言えない」と、IDCのアナリストKevin Burdenは分析している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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