IT業界では、男性労働者の比率がかつてないほど高くなっていることが、最新の調査結果より明らかになった。
Information Technology Association of America(ITAA)が米国時間22日に発表したレポートによると、IT関連の仕事に従事する女性の割合が、2004年には32.4%まで低下したという。1996年時点における同数字は41%だった。IT業界で働く女性の3分の1が事務処理業務に従事しているが、ここ数年、事務処理業務に従事する労働者の数が大幅に削減されている。これこそが女性比率低下の原因だとITAAは述べる。
しかし、「データ入力」などの事務処理業務を分析対象から除いても、IT業界の女性比率は32.4%から24.9%に減少していることが判明している。
米労働省のCurrent Population Surveysのデータに基づいて作成された同レポートでは、IT関連職に従事するマイノリティの比率が極端に低いことも明らかとなっている。
また、レポートでは、女性やマイノリティのコンピュータ業界への進出を支援するプログラムが非常に少ないことや、あるとしてもほとんど効果が上がっていないことなどが指摘されている。
「米国は片手を後ろ手に縛られた状態で世界経済と戦っているようなものだ」と、ITAAのプレジデントHarris Millerは声明の中で述べた。「中国やインド、西欧といった競争相手がすぐ後ろに迫ってきているときに、IT業界で成功する適正や能力、意欲を兼ね備える人物を誰一人見落とすことはできない。産業、教育、政府のリーダーたちは全アメリカ人、それも特に女性やマイノリティに、科学・技術・工学・数学の分野に存在するチャンスについて知ってもらう努力をすべきだ」(Miller)
本レポートが発表される少し前には、コンピュータ科学分野における女性比率の低下と、科学・技術・工学・数学関連の業務に就く黒人およびヒスパニック系比率の微増を示す別の調査結果も発表されていた。
ハーバード大学のLawrence Summers総長が2005年初め、科学や数学の分野の仕事で成功する女性が少ない理由は先天的な性差により説明できると発言して以来、科学分野での女性のプレゼンスは大きな反響を呼ぶ話題となった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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