米国立科学財団(NSF)が発表した調査結果によると、米国で科学および工学系の業務に携わる人のうち、5分の1以上の人が学士を取得していないという。
NSFのレポートによると、科学や工学系分野の仕事に従事し、学士号を取得していない労働者100万人以上のうち、5%が高卒で、17%が準学士号取得者だという。NSFは、2003年4月のCurrent Population Survey(CPS)に基づき同レポートを作成した。
米国では近頃、科学者や技術者の育成にもっと力を入れるべきだという声が頻繁に聞かれる。米国の技術労働者のうち、20%以上が学士号を取得していないというこのニュースは、そうした状況のなかで発表された。米国では、1998年時点で2万7300人だった理工学博士の取得者数が、2002年には2万4550人に減少している。教育ビザの発行数が減り、海外からの大学院入学志願者が減っていることから、この数字は今後さらに減少しそうだ。米国で技術関連の博士号を取得する人のうち、海外からの学生が占める割合は高い。
その一方で、NSFのデータによると、理工学系の大学院に在籍する学生の数は2002年秋に最高記録を達成し、45万5400人近くに及んでいることも明らかになった。これは、2001年と比べて6%高い数値だ。さらに、シンクタンクのRANDが先日発表した調査レポートによると、少なくとも1990年以来、米国の労働力において科学/技術/工学/数学のスキルを持つ人材が不足している傾向は見られず、このような問題が今後浮上する様子もないという。
NSFの最新の調査結果によると、コンピュータや数学系の分野の仕事に従事する労働者のうち約40%が高卒か準学士号取得者で、工学系分野ではこうしたセグメントの割合が20%になるという。また、生命科学/物理/社会科学の分野ではこの割合がかなり低く(10%)なる。
高卒か準学士号の資格を持つ科学や工学系分野の労働者の男女比率はほとんど変わらず、それぞれ5分の1をわずかに上回る数字だった。
NSFの調査によると、学士を取得していない人の人種/民族の割合は、太平洋諸島の出身者が6%、黒人が34%、ヒスパニック系が37%となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」