レノボ・ジャパンは5月16日、同月1日に発表したLenovoグループによるIBMのパーソナルコンピュータ部門の買収完了を機に、事業説明会を開催した。
買収が完了したことで、新生Lenovoグループは従業員1万9000人を抱える企業となり、IBMとの協業の下、世界中で営業活動を行う。現時点で事業を開始したのは、本社を置く米国をはじめ、アジア諸国やヨーロッパ、オーストラリアなど世界17カ国だ。レノボ・ジャパンは、同グループの日本法人として4月28日に設立され、代表取締役社長には元日本IBM理事 PC&プリンティング事業担当の向井宏之氏が就任している。
向井氏は、「IBMとのパートナーシップを基本としており、製品からIBMのロゴが消えることはない。サポートは今後もIBMが担当する。PC製品の紹介ページやオンラインショッピングのURLに変更はなく、主要サポート窓口の電話番号などにも変更はない」と述べ、IBMブランドを全面に押し出した戦略を続けるとした。ただし、製造元はLenovoグループとなるため、製品裏側のラベル表記は4月30日以降の製造から「Manufactured for/by Lenovo」となっている。
これまでIBMに所属していたPC事業の開発および製造技術者は、日本の大和研究所の社員を含め、ほぼ全員がLenovoグループに移籍した。従業員1万9000人のうち約半数が元IBMの社員だ。レノボ・ジャパン 取締役副社長の内藤在正氏は、「これからもIBMの基礎研究所と協業し、ThinkPadは今後も進化を続ける」と述べた。
レノボ・ジャパンでは、販売力を強化するために、新たなパートナープログラムを導入する。具体的には、これまで日本IBMがビジネスパートナーに対して提供していた報奨制度や営業支援、研修制度などを、二次代理店に対しても直接レノボから提供する。その中には、販売実績に応じたインセンティブが申請できることや、電話による専任営業サポートが提供されることも含まれる。
IBMブランドを最大限に活用した事業展開を予定するレノボだが、中国で高いシェアを誇るレノボブランドのコンシューマー向けデスクトップPC製品を日本国内で展開することはないのだろうか。この点について向井氏は、「現在検討中だ。レノボブランドを日本にどうやって広めるかは重要なテーマとなる。時間はかかるが、できるだけ早く方針を決めたい」とした。
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