通信業界で大型合併が次々と行われるなか、今度はVerizon Communicationsが長距離通信事業者のMCIを67億ドルで買収することに合意したと発表した。
Verizonは米国時間14日、48億ドルの株式と4億8800万ドルの現金でMCIを買収することを明らかにした。Verizonはさらに、1株あたり4ドル50セントの特別配当金(合計約15億ドル)も支払う。これを合わせると、MCIの買収総額は67億ドル以上になる。
MCI買収の2週間前にも、SBC Communicationsが長距離通信事業者最大手のAT&Tを160億ドルで買収することを発表したばかりだった。SBCによるAT&T買収は通信業界の勢力図を一変させ、Verizon、BellSouth、Qwest Communications Internationalという残りの地域通信事業者3社が複数の市場で互いに競合することになった。
長距離通信事業者の大手2社が立て続けに買収されたことからも、通信業界が大きな変革時期を迎えていることが分かる。電話会社がケーブル事業者やIP電話サービスプロバイダといった新しいライバルとの競争に打ち勝つためには、従来の音声通話サービス以外にもサービスを用意する必要がある。
通信業界の再編は、まず携帯通信市場で始まった。2004年10月に、Cingular WirelessがAT&T Wirelessの買収を完了し、米国最大の携帯通信事業者が誕生した。その後、12月にはSprintが350億ドルでNextel Communicationsを買収すると発表した。さらに2005年1月、地域通信事業者Alltelが、地域系の携帯通信事業者Western Wirelessを62億ドルで買収することを発表した。
VerizonのCEO、Ivan Seidenbergはアナリストとの電話会議のなかで、同社が6カ月ほど前から買収の可能性についてMCIと交渉を進めてきたことを明らかにした。同氏はさらに、これまでに行われた4件の大型買収が市場に受け入れた様子を見て、MCIを買収するのに機が熟したと判断したことも付け加えた。
「MCIは、残っているなかでも数少ない優良な買収先候補だった。Michael(MCIのCEO、Michael Capellasのこと)に声をかけずにはいられなかった。われわれにとって買収は当然の成り行きだった」(Seidenberg)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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