Dellは米国時間10日、第4四半期の決算発表を行い、サーバから携帯音楽プレイヤーに至る各種製品の出荷が増加したことで、アナリストの予想を上回る利益となったことを明らかにした。同社はこれで16四半期連続してアナリストの予想を達成/上回ったことになる。
Dell最高経営責任者(CEO)のKevin Rollinsは同日、報道陣との電話会議のなかで、第4四半期の利益がアナリストの予想を1株あたり1セント上回ったことを発表し、あわせて年間売上高800億ドルを次の目標にすると語った。
Dellの同四半期(1月28日締め)の利益は、特別課税費用計上後で6億6700万ドル(1株あたり26セント)となった。この特別課税費用は、企業が海外の利益を低税率で本国に送金できるという米国雇用創出法に関連したもの。この費用計上を除いた場合の利益は9億4700万ドル(1株あたり37セント)で、これも予想を上回った。なお前年同期の利益は7億4900万ドル(1株あたり29セント)だった。
また売上高は、昨年同期の115億ドルから、135億ドルへと増加した。
Thompson First Callがまとめたアナリストの平均予想値は、売上高が135億ドル、1株あたりの利益が36セントだった。
Dellによると、同四半期にはサーバやストレージシステムをはじめ、同社が最も重視する製品の多くが2桁成長を達成したため、総出荷台数は19%増加したという。またデスクトップPCは16%、プリンタは111%増加し、さらに大口顧客の電子メール環境移行といった作業を行う同社のサービス関連ビジネスも売上が32%成長した。
Rollinsは、この売上増加の一因として、対法人ビジネスの成長を挙げた。たとえば、同社の米国における法人向けビジネスは、前年同期比で19%増加したという。
同氏は、競合するHewlett-Packard(HP)が9日にCEOのCarly Fiorinaを更迭したことや、IBMが12月に発表したLenovo GroupへのPC事業部売却計画などを挙げ、これらの要因から生まれる不確実性に助けられ、Dellは今後もさらに成長すると述べた。
Rollinsは、Fiorinaの解任がDellにとってチャンスになるかとの質問に対し、「たぶんそうだと思う。顧客に対して何らかの働きかけができることは確かだ」と述べた。
Rollinsはまた、Dellの家電製品事業に関する質問に答え、「非常に好調な四半期だった」と答えた。同社では、サーバなどの製品を補助するものとして家電製品を位置付けている。
同社にとっては新たな分野である家電製品の売上も増加した。 Dellの携帯音楽プレイヤー、Digital Jukeboxは165%の売上増となり、予測を144%上回った。またテレビの売上も150%の伸びを示し、同社予測比で約300%となった。Dellでは、テレビの売上が非常に好調だったことから、42インチのプラズマテレビについては需要に対応しきれなかったと、Rollinsは述べた。
Dellは、第4四半期および2005会計年度通年の好調な業績を踏まえ、将来に向けた新たなビジョンと目標を設定する考えだと、Rollinsは述べた。
同社ではこれまで、2007年度に年間売上600億ドルという目標を掲げていたが、今年度(2006年度)中にこの売上目標をほぼ達成しそうだとRollinsは述べた。
「われわれは、600億ドル程度の年間売上を予定よりも早く達成しそうだ」とRollinsは述べ、「新しい目標は800億ドルになるだろう」とした。
Dellは、4月に開く金融アナリスト向けの会議で、年間売上800億ドルの実現に向けた具体策についてさらに詳しい説明を行う予定だ。
同社のプリンタおよびインクなどの消耗品も、新しい計画の一部になるとみられる。 Dellは現在年間520万台のプリンタを販売しており、これは前年比179%の増加率だと、Rollinsは述べた。同氏によると、プリンタ事業は年間13億ドルになる勢いだという。
同社は今後の見通しに関し、第1四半期の売上を135億ドル、1株あたりの利益を37セントとした。この利益はアナリストらの予想を1セント上回っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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