世界最大手のインターネット向けネットワーク機器メーカーCisco Systemsが業績を急速に伸ばしている。追い風となっているのは、ビデオ配信用ネットワークの構築やアップグレードを図るケーブル事業者および電話会社からの需要だ。
Ciscoの幹部が米国時間2月6日に明らかにしたところによると、1月27日に終了した第2会計四半期の利益は前年同期比40%増を記録し、売り上げも27%増加したという。成長の大半は、ケーブル事業者や電話会社といったサービスプロバイダーに対する売り上げが好調だったことによる。
ケーブル事業者は、HDTVサービスやオンデマンドビデオサービスを提供するためのネットワークをアップグレードしている。また、AT&Tなどの電話会社も自社のネットワーク上でテレビサービスを提供するため、ネットワークをアップグレードするための機器を購入している。
Ciscoの最高経営責任者(CEO)であるJohn Chambers氏はアナリストや投資家との(業績に関する)電話会議の中で、「ビデオほどのキラーアプリケーションについて語るのは初めてだ」と語った。
この需要増により、CiscoのIPルータの売り上げが18%増加し、またイーサネットスイッチの売り上げも13%伸びた。もっとも、これらはCiscoが2006年に買収したScientific-Atlantaの売り上げだ。同社は、セットトップボックスメーカーであると同時にケーブルインフラのプロバイダーでもある。Scientific-Atlanta事業は、第2会計四半期の最大の功労者だった。
Scientific-Atlanta事業は、前年から20%を大幅に上回る成長を遂げ、同四半期に6億3900万ドルの売り上げを計上した。幹部らによると、第3会計四半期も(第2会計四半期と)同様の好業績が期待できるという。
Chambers氏は、「Scientific-Atlantaの勢いに勝るものはない」と述べ、さらに「これほど素晴らしいパイプラインは見たことがない」と付け加えた。
Scientific-Atlantaはセットトップボックスで最も良く知られているが、ケーブルインフラ製品群も強力だ。Ciscoの最高技術責任者(CTO)Charles Giancarlo氏は業績発表後に行われたインタビューの中で、これらの機器に対する需要は、前年から50%も急増したと語った。
Giancarlo氏によると、Ciscoでは4〜5年前から、オンラインビデオ配信の普及にともない、ネットワーク帯域の拡張を求める声が高まるだろうと予測してきたという。また同氏は、もう少し早く需要が増加すると見込んでいたとも述べる。
「ビデオ配信となると、ネットワーク上にたくさんのデータが流れる。これが業績拡大の起爆剤になることは分かっていた。1つ読み誤ったのはタイミング。重要なのは、ビジネスに参入し、予想が現実のものとなるときに備えることだ」(Giancarlo氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス