Appleの最高経営責任者(CEO)のSteve Jobs氏が紛失または盗難に合った「iPhone」の試作品について自ら返却を求めたのに対し、Gawker Mediaが難色を示していたことが、新しく公開された法的文書により明らかになった。同文書からは、Gawker Mediaの編集者らがiPhoneの試作品について、購入前に弁護士に相談していなかったことも見てとれる。
サンマテオ郡保安官事務所の刑事であるMatthew Broad氏が作成した宣誓供述書によると、Jobs氏は、Gizmodoが第4世代iPhoneに関する記事を公開した日である米国時間4月19日、GizmodoのBrian Lam氏に連絡を取ったという。
Jobs氏は編集者らに対し、端末を返却するように電話で要求したが、Lam氏は同端末がAppleのものであることを同社が認めなければ返却しないと、その要求を拒否した。
From: brian lam
Date: April 19, 2010 4:08:07 PM PT
To: Steve Jobs
Subject: Let's see if this goes through.(これで合意できればいいのですが)
Steveさん、このメールのやり取りはわれわれ側ではオフレコです。
あなたの立場は理解しており、お力になりたいと思いますが、本当にApple製の電話であることを正式に確認せずに返却することは、わたし自身の責任に反します。
あなた自身またはAppleによる正式な確認をいただければ、大スクープになります。直ちに電話を返却してもかまいません。わたしたちが電話を手放した理由を説明する記事もなく、また、Appleに渡したという証拠もなくわれわれの手元からこれがなくなるとすれば、われわれのビジネスに支障が生じます。われわれの評判にも影響が生じます。作られたリークだ、などと人々は言うでしょう。
これが次のiPhoneだと言ってしまうと、販売に影響が生じるだろうことは理解しています。われわれには商品の販売数を減らすつもりはありません。それは、Gizmodoやわたしにとって何もメリットもないことなのです。
Appleは、この電話は紛失したものだが、正式な製品ではなく、テスト品か何かであると述べたらいいのではないでしょうか。そうせずに、Appleによる法的手続きということになったとしても、やはり本物であることの確認が必要になります。わたしだってそんなことは望みません。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス