Qualcommは、Advanced Micro Devices(AMD)から、グラフィックスチップ技術を含むハンドヘルド関連の資産を買収した。
カリフォルニア州サンディエゴに本社を置くQualcommは米国時間1月20日、AMDとともに、同社が、グラフィックスおよびマルチメディア技術関連の資産、知的財産権、「これまでAMDのハンドヘルド事業の基礎となってきた」リソースの買収を行ったことを発表した。
AMDは、電子メールでのインタビューに応じ、Qualcommに対して「ベクトルグラフィックスおよび3Dグラフィックス技術、インターネットプロトコル(IP)」などを提供することで合意に至ったことを示したものの、売却資産の中に、AMDがハンドヘルド機器向けに提供している「Imageon」グラフィックスおよびマルチメディアチップは含まれないことも示唆された。
AMDは、Qualcommが売却した資産に関する詳細を、これ以上は明らかにしようとしなかったが、AMDのハンドヘルドグラフィックス事業は、Microsoftの「Xbox」で使われているような「ユニファイドシェーダーアーキテクチャ」が中心となっていると述べた。AMDの広報担当は「Qualcommが買収した、特定の資産や技術の内容を明らかにすることはない。AMDのハンドヘルド3Dグラフィックス技術は、ユニファイドシェーダーアーキテクチャを基礎に据えたものである」と語った。
しかしながら、AMDは、今回の買収対象として、Imageonプロセッサは含まれていないことを明確にした。あるAMDの関係者は、「AMDのImageonプロセッサ関連の製品群、Imageonのブランド、その他のいかなる既存のImageonの顧客に対するコミットメントも、AMDが売却することはない」と述べている。
一方、AMDの広報担当は、「引き続きAMDは、AMDのImageon関連の製品群に対する権利を保持している。現在、AMDのImageonの製品ラインアップとして提供されている、『A250』アプリケーションプロセッサや『M180』メディアプロセッサなどに関しては、今後の製品サイクルの残存期間中を通じて、既存の顧客へのコミットメントを果たしていく方針である」と語っている。
さらに、AMDは、今後はImageonのロードマップを更新する予定がないことも明示している。先ほどのAMD関係者は、「今後のロードマップに、新たなAMDのImageon関連の製品群が追加される計画はない」と述べた。
ATI Technologiesを2006年に買収後、AMDは、ATIのImageonの製品ラインアップによって、ハンドヘルド機器および携帯電話市場向けのメディアプロセッサのサプライヤーとして、主要な地位を占めるに至った。
20日にアナウンスされた買収に関する合意内容には、Qualcommが、AMDのハンドヘルド事業における、さまざまな設計開発チームを新規に雇用する方針を固めたことも含まれていることが明らかにされた。Qualcommは「こうした設計開発チームを通じて、2Dおよび3Dグラフィックス、オーディオやビデオ、ディスプレイ、アーキテクチャなど、モバイルデバイスの性能向上につながる技術開発を進めているところだ」と語っている。
AMDに対しては、6500万ドルの買収金額が、現金で支払われることになる。Qualcommは、今回の買収によって、2009会計年度に形式上で1株当たり約2セントの希薄化効果が生じ、2010年後半までには、売り上げの増大へとつながることになるとの予測を明らかにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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