無線チップメーカーのQualcommとBroadcomの間の法廷ドラマが先週も続いた。
QualcommとBroadcomが米国時間8月28日に明らかにしたところによると、Broadcomが保有する特許無線技術の使用を禁じる差し止め命令をQualcommが無視しているとの判決を連邦判事が下したという。
米地裁判事のJames Selna氏は、Qualcommが2007年に下された差し止め命令に違反したとの判決を下した。この差し止め命令は、Qualcommに対し、Broadcomが保有する無線技術に関する特許を侵害している技術を同社のチップに利用することを禁じていた。また同判事は、QChatと呼ばれるトランシーバー型通話機能を備えたQualcommベースの携帯電話にBroadcomの技術を使用したことについて、QualcommはBroadcomにロイヤリティーを支払っていなかったと判断した。
Qualcommは、同判決に対して控訴するとしている。Broadcomに対する損害賠償額がどの程度になるかは明らかにしなかった。
2007年5月、陪審は、Broadcomが保有する、携帯電話がビデオやトランシーバー型通話を処理しやすくするための技術の特許をQualcommが侵害したと認定した。この評決を受け、Selna判事はQualcommに対し、同技術の使用中止を命じ、さらにBroadcomの特許を侵害している既存のQChat機能付き携帯電話に関するロイヤリティーをBroadcomに支払うよう命じた。
その後、Qualcommは問題の特許に抵触しない技術を開発してきた。つまり、判決以後に作られた新しいQChat携帯電話はBroadcomの特許を侵害していないことになる。
QualcommとBroadcomは2005年から法廷闘争を続けてきた。規模で劣るBroadcomは過去2〜3年間、自社の特許を積極的に守り、いくつかの勝訴判決を勝ち取ってきた。2007年には米国際貿易委員会(ITC)が、Broadcomの特許を侵害しているQualcomm製チップセットを搭載した3G携帯電話の新モデルの輸入禁止を命じ、Broadcomが大きな勝利を収めた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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