米連邦巡回控訴裁判所は、米国際貿易委員会(ITC)がQualcomm製のチップを搭載した一部の携帯電話の輸入を2007年に禁止したのは同委員会の権限を逸脱した行為であるとして、この命令を無効とした。
ITCは2007年、Qualcomm製のチップセットを搭載した3G携帯電話の一部の新機種について、Broadcomの特許を侵害しているという理由で輸入を禁止する命令を出していた。米連邦巡回控訴裁判所は9月、控訴中のこの訴訟について輸入禁止を継続させていた。
米連邦巡回控訴裁判所は米国時間10月14日、その判決を下した(PDF)。同裁判所は特許の有効性に関するITCの判断を支持した。しかし、BroadcomはQualcommのみを提訴していたため、輸入禁止命令は覆した。同裁判所は、Broadcomが最初に提訴した相手ではない「下流の製造業者」によって製造された製品をITCが禁止することはできないという判断を下したのである。
Qualcommの法務弁護士であるDon Rosenberg氏は声明で「Qualcommは裁判所の見解に非常に満足している」と述べている。また同氏は「携帯電話メーカーや無線事業者を含めた業界に対して、自己防衛の道を閉ざしておいて攻撃するというBroadcomの戦略を、裁判所は事実上認めなかった」とも述べている。
一方Broadcomは声明において、「裁判所が我が社の特許の有効性や、Qualcommの顧客による特許侵害行為、ITCによる請求項の解釈の有効性を改めて認めたことに満足している」と述べている。
またBroadcomは、「この観点から言えば、Qualcommがわれわれの特許技術を引き続き使用するならば、特許侵害の意図を新たに表明することになり、特許侵害の罪に問われることになると確信している」とも述べている。
QualcommとBroadcomは何年にもわたり、さまざまな特許をめぐっていろいろな裁判を争ってきている。BroadcomはQualcommの販売やライセンス使用の方法が特許の侵害に当たると主張し、10月初めにカリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所にQualcommを提訴している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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