モバイルブロードバンドやモバイルコンピューティングという世界は夢物語ではなく、現実のものとなり始めた。ワイヤレス技術も進化し、新しい世界を支えるプラットホームが登場しつつあるからである。
クアルコムは、高いワイヤレス通信技術を持つ企業として知られ、先進的なワイヤレス通信を支えるコアテクノロジーを有している。同社の半導体部門「QUALCOMM CDMA Technologies」は、無線通信用半導体、システムソフトウェア、開発ツールを提供し、ユーザーにリッチなマルチメディアおよびエンターテインメント、BREWやJAVAをベースとする高度なセキュリティや豊富なコンテンツアプリケーションなどの機能を有した最先端の3G端末の提供を可能としている。
「昨年1年間で、当社のパートナーが400以上の商品化を実現している」と、Senior Vice President Product Management Cellular Products GroupのSteven Mollenkopf氏は語る。
ワイヤレス通信のテクノロジーリーダーとして、同社のコア技術が使われているのだ。
同半導体部門が注力しているのが、HSPA+やUMB(Ultra Mobile Broadband)という技術だ。「3GPP2はHSPA+が使われることになるでしょう」(Steven Mollenkopf氏)ということだ。
これは、効率のよいデータ通信を低コストで実現できるほか、アップグレードが容易で、これまでの投資を生かした新しいサービスを提供できるという特徴がある。来るべきLTE(Long Term Evolution)時代につながるステップとしての期待も大きい。
世界中で携帯電話は10億台、ラップトップPCは8000万台が毎年出荷されているといわれている。
クアルコムではそういったセグメントのほかに、「POCKET DEVICES」市場が形成されると予測している。この新しい市場は「4から6年くらいの間に1億台程度の市場が立ち上がってくるだろう」(COO兼QUALCOMM CDMA Technologies GroupプレジデントのDr.Sanjay K.Jha氏)と予測している。
携帯電話とラップトップPCの間に控える巨大な市場に対して、同社の期待は大きい。
同社は、長期的な視野を持ち、マーケットニーズも取り入れた製品開発を進めている。だからこそ、モバイル通信のテクノロジーリーダーとして君臨するまでに至ったのだろう。今後のマーケットの創出も含め、同社の活動に注目していきたい。
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