グーグルのモバイルサイト向けコンテンツ連動型広告の開始日が、10月上旬に決まった。モバイルサイトの運営者が簡単に広告を掲載できるようにするとともに、広告主に対しても幅広いサイトに広告を掲載する道を開く。グーグルはその覇権をPCだけでなく、着実にモバイル分野に広げようとしている。
サービス名は「モバイル版コンテンツ向けAdSense」。PCサイト向けと同様に、サイトの文章を解析し、近い内容の広告を自動的に掲載するというものだ。広告単価は検索連動型広告と同様に、クリック単価を広告主がオークションで決める仕組みになっている。
すでに8月下旬よりグリーが提供しているソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」のモバイルサイト、およびau向けに展開している「EZ GREE」において導入されている。グーグルのストラテジック パートナーディベロップメント マネージャーであるジョン・ラーゲリン氏によると、「コンテンツ連動型広告を求めるモバイルサイト運営者が多く、日本で大きな市場になることが見えてきた」という。
ライバルのオーバーチュアは2月よりサービスを開始しており、やや出遅れた感もあるが、「誰でも参加できる点に意義がある」と話す。「モバイルライフの中で、検索を使う時間はほんの一部。コンテンツ連動型広告によって、広告主は検索以外でも顧客にユーザーにリーチできるようになる。また、サイト運営者に新たな収益源をもたらすとともに、ユーザーには月額課金の有料サイトでなくても面白いコンテンツが見られるチャンスが増える」(ラーゲリン氏)と多くの人にメリットをもたらすサービスであることを強調した。
広告主はPC向けの広告サービス「AdWords」と同じアカウントを使って広告を出稿できる。ただし、サービス開始当初は配信先のサイトを選ぶことはできない。また、広告出稿はPCからのみで、モバイルから行うことはできない。モバイルサイトには最大2件のコンテンツ連動型広告が掲載される。
モバイル広告の場合、広告主がモバイルサイトを持っていないことが課題になる場合が多い。このためグーグルでは、検索連動型広告やコンテンツ連動型広告を出稿する広告主が無料でサイトを作れる「AdWords ビジネスページ」をモバイル向けにも提供している。「電話番号を掲載し、携帯電話から直接問い合わせの電話をかけてもらえるようにするClick to Callも可能」(ラーゲリン氏)とのことだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス