富士通は3月5日、世界初の微弱電波を利用したワンセグによるコンテンツ配信システム「スポットキャスト」を開発したと発表した。
本来、ワンセグの放送には、放送免許の申請が必要。ところが、同システムでは、電波法で定められている微弱電波を利用して放送を行うため、放送免許がない事業者でもコンテンツの配信を行うことができる。店舗や観光施設、映画館など、限定されたエリア内において、ワンセグ対応携帯電話の端末を所持する来場者向けに独自のワンセグ放送を配信できる。
同システムは、映像コンテンツをワンセグ配信形式に変換するシステムと、映像を微弱電波で配信する送信機で構成される。映像は、USBメモリまたはコンテンツサーバー経由で送信機に送られ、配信される。送信機から受信端末までの受信可能範囲は、電波法で微弱電波と定めている範囲にあたる半径2〜3メートル程度だという。
送信機は、ワンセグ専用変調器LSIの採用により、消費電力を半減した。また、微弱電波に限定することで増幅器の省電力化し、幅180ミリ×高さ43ミリ×奥行き190ミリ、重量1.5キログラムの小型化を実現したのが特長だ。
商用化にあたっては、今後事業者と商談を開始し、今夏をメドに製品化を目指す。導入コストは送信機が1台数十万程度と想定しており、コンテンツ作成サービスの提供や納入台数などに応じて、適正な価格を検討していく。また、海外への供給についても視野に入れており、対象国の電波法などを確認したうえで、展開を進めていきたいとしている。
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