iモードの創世記からモバイルサイトの市場を牽引しているのが、着うたやゲームなどに代表される、キャリア公式のモバイルコンテンツである。モバイルコンテンツの市場は引き続き伸びを見せており、2007年7月発表に総務省が発表した「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」によると、2006年のモバイルコンテンツ市場は3661億円であり、前年比16%増の伸びを示している。
モバイルコンテンツ市場が伸び続けている理由としては、第3世代携帯電話への移行が進んだということが1つ挙げられる。NTTドコモのFOMAユーザーは3月末時点で4395万件となり、全契約者数の82%を占めるようになった。auのCDMA 1XおよびCDMA1X WINの契約者数は2969万件と全体の98%、ソフトバンクモバイルのSoftBank 3G契約者数は1401万件と同75%を占めている。
また、パケット定額制の普及が進んだことも理由の1つに挙げられるだろう。3月末におけるドコモのパケ・ホーダイの加入者数は1274万件、auのダブル定額、ダブル定額ライトの加入者数は1457万件。ソフトバンクモバイルのパケットし放題は2007年12月末時点で688万件となっており、パケット定額制加入者数は3キャリア合計で約3500万件となる。
今回は、成長を続けるモバイルコンテンツ市場の中で、主要な位置を占める音楽とゲームという2つのジャンルについて紹介していこう。
モバイルコンテンツで最も大きな市場を形成しているのが、着メロや着うたに代表される「音楽」である。このジャンルは差別化が難しいので、楽曲の数や種類を増やし、テレビCMなど費用を使ったプロモーションを展開して認知度を高める必要がある。非常に競争の激しい分野だ。
音楽系コンテンツの大きな動きとしては、ここ数年で着メロから着うたへと移行が進んでいることが挙げられる。最近ではさらに、着うたから着うたフルへ移行するという動きも進んでいるようだ。 日本レコード協会の「2007年度 音楽メディアユーザー実態調査」を見ると、2007年に着うたの利用経験率が着メロを超え、着うたフルの利用経験率が急伸している(図1)。
また、NTTドコモがmobidec 2007の講演で2007年8月時点におけるiモードでの各モバイルコンテンツの市場規模を明らかにしている。それによれば、着うた、着モーションの合計が月間25億円、着うたフルが同15億円という。ただ、その差は徐々に縮まってきているようだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス