最終更新時刻:2008年7月25日(金) 17時05分

モバイルチャンネル

課金、広告、物販--モバイルビジネスを支える3つの収益モデル

村上勇一郎(ドコモ・ドットコム)

2008/03/06 16:12  

 今回はモバイルインターネットの収益モデルについて考察を加えたい。モバイルに限らず、インターネットの収益モデルは「ユーザー課金ビジネス」「広告ビジネス」「物販ビジネス」の3つに大別できると考えている。多くのビジネスはその延長線上か、コンビネーション(2つないしは3つの要素を掛け合わせた形)で存在する。なお、ここでは企業などのプロモーションサイトも広告ビジネスの一環ととらえて考えている。

 これらの分野について、今後のマーケット規模の予測はいくつかの企業が出している。例えば、野村総合研究所は、ユーザー課金のモバイルコンテンツ市場規模が2007年度の3530億円から2011年度には3864億円になると予測している。

出典:野村総合研究所「IT市場ナビゲーター2008年度版」のデータを元に作成(2006年までは実績値。2007年以降は予測値)(凡例をクリックするとそれぞれの値が表示されます。凡例の位置は移動可能です)

 また、電通総研の試算では、モバイルインターネット広告市場規模は2011年に1284億円になるという。ユーザー課金ビジネスと広告ビジネスを合わせると2011年に約5000億円規模のマーケットを形成する試算となっている。

出典:電通総研の予測データを元に作成(2005年と2006年の実績については電通「日本の広告費」より引用。過去のモバイル検索連動型広告の実績については、検索連動型広告の分野に含まれると考えるが、単独では試算対象としていない)(凡例をクリックするとそれぞれの値が表示されます。凡例の位置は移動可能です)

 この予測値が間違ってないと思われる論拠は、ミクロな視点で見たユーザーのお小遣いの分量である。

 例として音楽マーケットを見てみよう。日本レコード協会の2005年度の調査によると、1カ月あたりに1人が支払う音楽費用は3000円程度(CD1枚分)で、それまでの数年間大幅には変わっていない。限られたお小遣いの中で音楽を楽しんでいることがうかがえる。

 さらに2006年度の日本レコード協会の調査によれば、CDの購入率が減少し、代わりに有料音楽配信サービスの利用率が伸びているという。このことを考えると、ユーザーは1カ月にかけられる音楽費用3000円の中で、CD(シングル)を買う代わりに着うた(フル)等のデジタルコンテンツを楽しんでいると考えられる。

 携帯電話の課金ビジネスも同じと考えられる。1カ月に携帯電話に対してかけられる費用はほぼ限界に来ており、ここを変えられない限り課金マーケットがこれ以上急成長するのは難しい。

 よって、今後のモバイルインターネットビジネスでは、ユーザー課金が主流であった考え方を改め、ユーザー利用負担なしの無料ビジネスへドラスティックに変換することが求められている。基本的に無料で楽しめる一般サイトが隆盛している現状もこういったユーザーニーズに合致したためだと考えられる。

注目トピックス From ZDNet Japan

SaaS:あなたはもうこのバズワードを無視できないSaaS:あなたはもうこのバズワードを無視できない
SaaSやSOA、NGNにESP。ただでさえ具体像の見えない言葉が、ITベンダー側からの情報しかなく、経営や事業とどう関係するのか全く見えない。そんな経営者のために、「あなたのビジネスにどう関係するか」「あなたの業界に何が起こるか」という視点でバズワードの実際を語ります。第1回目はSaaSです。
サポセンに持ち込まれた「世にも奇妙なPC」たち
無料の「Oracle Database XE」で高速バッチ処理:実装のポイント
「Windows 7」は順調に開発中--MS開発トップが明らかに
Firefoxで情報をカンタン・ベンリに整理する
iPhoneにFirefoxとFlashは載らないの?
うつで病院に行くことを恐れるな

モバイルチャンネル セレクション

iPhone 3G、発売前夜から祭りのあとまで
iPhone 3Gがついに発売された。ユーザーからの期待は大きく、ソフトバンク表参道、ビックカメラ 有楽町店、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaなどの旗艦店舗には多くの人が行列をなした。発売前後の様子を記事とともに振り返る。
10代の若者と携帯が鍵--米国広告市場における今後の流れ
日本と同様、米国でも10代の若者の間では携帯電話などの携帯端末が主流になりつつある。この流れに着目する企業側は、次の一手を考えている。
「ニコニコ動画を日本のインフラにする」--夏野氏がニコニコ動画に参画した理由
iモードの育ての親として知られる元NTTドコモの夏野剛氏が、新たな活躍の場としてニコニコ動画を選んだ。夏野氏の参画でニコニコ動画はどう変わるのか、夏野氏とニワンゴ取締役の西村博之氏(ひろゆき)に話を聞いた。

モバイルチャンネル コラム

■モバイルインターネット業界の基礎知識

電子書籍、デコメ、着せ替えツール--なぜ今このモバイルコンテンツが伸びているのか
近年急成長を遂げたモバイルコンテンツ市場といえば、電子書籍やデコメール、最近ではメニュー等の着せ替えコンテンツだ。なぜこれらのコンテンツが今、伸びているのだろうか。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

人気を集めるモバイルコンテンツにも変化の波
モバイルコンテンツ市場においては、音楽とゲームが大きな2本柱になっている。しかしその人気コンテンツは、時とともに移り変わっている。

■モバイルインターネット業界の基礎知識

行動、売れ筋、顧客単価--あらゆる面でPCと異なるモバイルECの世界
今回は、携帯電話による物販を中心とした、いわゆる「モバイルEC」について解説していく。その実態はPCのECビジネスと大きく異なっている。

フォト

企画特集

DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」
〜企業システムの仮想化環境の構築を支援〜

プロダクトレビュー

メンバーズレビュー